やったこと
CDP(Carbon Disclosure Project)が2026年情報開示サイクルから企業向けのAI機能「Suggested Response(回答案提案機能)」を本格導入した。約800社の先行企業での検証を経て、環境情報開示の効率化と回答品質向上が数値で示された。
具体的な手順・工夫
AIの動作フロー
- 企業が年次報告書・サステナビリティレポートをCDPプラットフォームにアップロード
- AIが報告書を自動分析し、CDP質問書の各設問に対応する情報を抽出
- 回答案(Suggested Response)を自動生成して企業ユーザーに提示
- 担当者が内容を確認・編集・補完して最終提出
運用上の重要原則
- 「AIは人間の判断を置き換えるものではなく補完する役割」と明記
- 透明性・説明責任・責任あるイノベーションの3原則で運用
- 最終承認・提出判断は必ず担当者が実施
CDPの活用方針
- 既に保有しているサステナビリティ報告書をそのままAIへの入力データとして活用
- 既存のIR・サステナビリティ部門の作業フローに組み込む設計
得られた結果
先行利用約800社での検証結果:
- 開示準備時間:最大40%短縮
- 回答完了率・回答率:25%向上
- 回答内容の深さ・網羅性:60%改善
他社が参考にすべき点
- 既存報告書の「AI入力素材」としての活用:サステナビリティレポートや有価証券報告書のサステナビリティ情報を整備しておくことで、AIによる回答生成精度が向上する。報告書の記載充実がCDP対応効率化に直結する。
- CDP対応の年間スケジュール見直し:AIによる初稿生成を前提にしたスケジュール設計に変更することで、担当者の繁忙期集中を分散できる
- CDP2027は提出スケジュールが前倒し:2027年度は例年より前倒しになる見込みのため、AI機能を活用した早期準備体制の構築を推奨
- 日本企業でCDP対応担当者が1〜2名の中堅企業でも、AI機能を使った効率化で対応品質の底上げが期待できる