やったこと

茨城県日立市の日立製作所 インフラシステム社 大みか事業所(従業員約4,100名・敷地20万m²・制御情報システムの設計製造・試験拠点)が、ISO50001に基づくエネルギーマネジメントシステム(EnMS)を導入し、スマート次世代工場計画と組み合わせてエネルギー性能を15%改善した事例。Clean Energy Ministerial GEMSIE案件として公表。

具体的な手順・工夫

設備投資:再エネ・蓄電池の同時導入

  • 太陽光発電:440kW(一棟目)+500kW(二棟目)= 合計940kW
  • 蓄電池:4.2MWh(バッテリールーム設置)
  • 再エネ設備と蓄電池を組み合わせ、ピークシフト・電力需要の平準化を実現

EnMSのコア施策:電力の可視化と基本単位管理

  • 事業所全体の電力を可視化し、プロセス・製造エリアごとに「電力使用の基本単位(生産量あたり電力使用量)」を設定
  • 基本単位が異常値を示した場合に原因を調査する仕組みをISO50001フレームワークに組み込む
  • スマート次世代工場計画との連動により、エネルギー効率改善活動を体系化

EnMSがもたらした3つの副次効果

  1. 受注機会の創出:ISO50001の実装事例をエネルギーソリューション事業の顧客紹介として活用し、新規受注につなげた
  2. 従業員のモチベーション向上:ISO50001をフラッグシップにし、エネルギー性能指標のアクションプランを全員で共有
  3. 活動結果の透明性確保:ISO50001認証取得により、改善活動の成果を第三者が検証可能な形で外部公表できる体制を構築

ショーケース化と波及効果

  • 2011年に約2,100名だった事業所への来訪者数が2014年には約2.0倍(約4,200名)に増加
  • 日本の製造業における「エネルギーマネジメントの見える化」先進事例として業界内に認知

エネルギー性能指標の設定

  • 契約電力・CO2排出量・電力コストを3本柱の指標として設定
  • 各指標の削減目標をISO50001の計画サイクル(P-D-C-A)に組み込み、年次でのマネジメントレビューで進捗管理

得られた結果

指標改善結果
エネルギー性能改善率15%
契約電力削減23%削減
CO2排出量削減15%削減
電気代削減(月額)500万円削減
電気代削減(年間)6,000万円削減

他社が参考にすべき点

大規模製造拠点(4,000名規模・20万m²)がISO50001で成果を出すアプローチ:①再エネ(太陽光940kW)+蓄電池(4.2MWh)をパッケージで導入してベースの削減幅を確保→②ISO50001の電力可視化フレームワークで「プロセス別基本単位」を設定し、異常をアラートで発見できる体制に→③ISO50001認証をエネルギーソリューション事業の顧客向けショーケースとして活用し、コスト削減と受注創出を両立させる。電力年間6,000万円削減という実績は「工場の省エネ投資は小さくとも効果は大きい」という経営陣への訴求に有効な数字として使える。