やったこと
日立とエネ・ビジョンは、系統用蓄電池に充放電した電力が「再生可能エネルギー由来であること」を、電力系統と物理的に混在した状態でも証明できる電力トラッキングシステムを開発・実証した。従来、蓄電池に一度充電した電力は「どこ由来か」が不透明になるという課題があり、Scope2削減の根拠として使いにくかった。この課題を30分単位のデジタルデータ管理で解決した。
具体的な手順・工夫
「Storing RE」サービス: 充電段階のトラッキング 太陽光発電から蓄電池への充電時間帯と充電量を30分単位でデジタル記録する。「この電力は○月○日○時〜○時に充電された太陽光由来」として追跡情報を紐付け、データの不整合や誤差を自動排除する仕組みを内蔵。充電データは100%トレーサブルな状態で管理される。
「Powered by RE」サービス: 放電段階のトラッキング 蓄電池からの放電電力についても「4時間の時間枠」でトラッキングし、需要家が受け取る電力の再エネ由来比率を証明する。系統電力と物理的に混在しても、デジタルデータ上でグリーン性を維持する手法だ。
実証規模と環境 蓄電池: 出力1,999kW・容量8,128kWh 太陽光発電(充電源): 出力1,500kW メガワット級の実環境で動作を検証済み。
得られた結果
系統電力と物理的に混在する環境でも、蓄電池を経由した再エネ電力のグリーン価値を維持・証明できるシステムが実証レベルで確立された。将来的には「HMAX Industry」として産業向けグリーン電力トラッキング・最適配分システムへ発展させる計画がある。
他社が参考にすべき点
Scope2削減でPPA(電力購入契約)や蓄電池を活用している製造業・商業施設の担当者に直接有用。「蓄電池に充放電したら再エネ証書の価値が失われる」という実務課題を解消できるシステムとして、再エネ調達の次世代インフラになりうる。電力会社・蓄電池メーカー・需要家の三者で「30分単位のグリーン電力証明」を共有するビジネスモデルとして参考になる。
