やったこと
一般社団法人日本エレクトロヒートセンターが、2025年6月に「産業用ヒートポンプ導入ガイド 改訂3版(A4 42頁)」を発刊。ヒートポンプ技術部会が監修し、工場のカーボンニュートラル達成に向けた産業用ヒートポンプ(高温加熱対応型)の選定・設計・設置・補助金活用の一連の手順を体系化。
具体的な手順・工夫
産業用ヒートポンプとは(一般的な空調ヒートポンプとの違い)
- 一般的なヒートポンプ:給湯・暖房(〜80℃程度)
- 産業用ヒートポンプ:蒸気・高温水・乾燥工程など100〜200℃以上の熱供給も可能
- 低温廃熱・外気などの未利用エネルギーを入熱として利用→電力で「熱を増幅」する仕組み
ガイドに沿った導入検討の進め方(ガイドP19より)
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工場の熱利用と温度帯を把握する(P14〜15)
- 蒸気・温水・乾燥炉など用途別に必要温度帯を整理
- ボイラー・バーナー等の既存熱源の燃料消費量とCO2排出量を計測
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廃熱回収可能量を評価する(P25〜26)
- 排気・冷却水・コンプレッサー排熱など工場内の廃熱源を洗い出す
- 廃熱温度帯がヒートポンプの入力熱源として適切か確認
- 「廃熱回収のポイント(P26)」に従い、ヒートポンプの蒸発器側に接続できるかを評価
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加熱量を把握する(P21〜22)★改訂3版の新規追加項目
- 改訂3版で新設。導入検討に必要な熱量(kW)の把握方法を解説
- プロセス所要熱量・時間変動・同時使用率を踏まえた適切なヒートポンプ容量を算出
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ヒートポンプの種類を選定する(P7〜13)
- 圧縮式・吸収式・ハイブリッド方式(P23〜24)から用途に応じて選択
- 冷温同時供給システム(P20):冷却と加熱を1台で同時供給→省エネ効果最大化
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設置工事の注意点(P27〜28)★改訂3版の新規追加項目
- 機器重量・冷媒配管・電気容量・防音など設置条件を事前に土木・電気業者と確認
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補助事業を活用する(P39〜40)★改訂3版の新規追加項目
- 産業用ヒートポンプに活用可能な補助事業リストを掲載
- 省エネ設備導入補助(経産省・環境省)の対象になることが多い
用途別検討事例(P29〜34)
- 食品工場:殺菌・洗浄温水、乾燥
- 化学工場:反応熱、蒸留
- 繊維・染色:染色槽温水
- 紙・パルプ:乾燥工程 各用途で温度帯・廃熱源・ヒートポンプ種別の選定パターンを紹介
得られた結果
- ヒートポンプ導入事例一覧(P35〜36)に国内工場の実績を掲載
- 展示施設(P37〜38)で実機を事前確認できる環境も整備
- カーボンニュートラル達成に向けた「最も高効率な技術の一つ」と位置付け
他社が参考にすべき点
工場でガス・重油ボイラーを産業用ヒートポンプに替える際の確認順序:①工場の熱利用温度帯を整理(100℃超が必要な工程は産業用ヒートポンプの高温対応機種が必要)→②廃熱源(冷却水・コンプレッサー排熱・排ガス)の温度と量を計測して入熱ポテンシャルを評価→③改訂3版の「加熱量把握の方法(P21)」に従い必要熱量(kW)を算出→④補助事業(省エネ設備補助・GX推進関連補助)の申請窓口を商工会議所・省エネ診断事業経由で確認→⑤設置工事は機器重量・冷媒配管・電気容量を事前に施工業者と三者確認してから発注。ガイドは税込1,000円で日本エレクトロヒートセンターから直接購入可能。
