研究の概要

EV充電・ヒートポンプ・家電などの「柔軟需要」を持つ住宅が集まるエネルギーコミュニティを対象に、動的価格シグナルによる分散的な需要スケジューリング手法を開発した。コミュニティコーディネーターが電気料金を配信し、各世帯が独立して消費スケジュールを最適化するという二層構造の確率的動的計画問題として定式化。「閾値価格ルール(TPR)」と呼ぶシンプルな価格政策を提案した。

主な発見・成果

  • TPRは上位・下位最適化の計算コストが線形で、スケーラビリティに優れる
  • モデルパラメータ非依存で、不確実性に対してロバスト
  • コミュニティ規模が大きくなるにつれ、社会的最適解に漸近的に収束
  • EV充電(締め切りあり)とヒートポンプ(サーモスタット制御)の両タイプの柔軟需要を統一的に扱える
  • Net Energy Metering(NEM)料金体系下での再生可能エネルギー最大活用が可能

実務への応用

日本のVPP(仮想発電所)・アグリゲーターや、集合住宅・スマートシティ開発における需要応答設計に直接応用可能。パラメータチューニング不要のロバストな価格アルゴリズムは、実運用環境での導入障壁を低下させる。EV充電と再生可能エネルギーの同時最適化に特に有効。