研究の概要
機械的虐待(衝撃・押しつぶし)を受けたリチウムイオン電池の熱暴走を早期検知するため、赤外線熱画像に基づく2段階警報システムを開発した。機械・電気・熱・画像強度の4モーダルセンサーデータを統合し、20フレームの警報ウィンドウで熱暴走の兆候を検出する。Stage-IのROC-AUCは0.945、2段階統合では0.908を達成。
主な発見・成果
- 熱勾配の上昇は、電圧降下ベースの検知より平均4秒(40フレーム)早く熱暴走を予告
- 閾値0.5における平均リードタイムは14.8フレーム
- 2段階アーキテクチャにより、解釈可能な中間不安定性シグナルを保持しつつ高精度を達成
- EV・定置型蓄電システム両方への展開を想定した設計
実務への応用
4秒という早期警報ウィンドウは、電池管理システム(BMS)がベンティング・電流制限・セル分離などの保護措置を講じるのに十分な時間を提供する。EV搭載電池の衝突後安全管理、または大規模蓄電システム(BESS)の消防・緊急対応プロトコル設計に実装可能。GX実務者にとっては蓄電池の安全基準策定・調達評価における重要な技術指標となる。
