やったこと
ダイキン工業が空調メンテナンスサービス「EneFocus α」を通じて、社会福祉法人の特別養護老人ホームに対して省エネ空調運用の全面支援を実施した。遠隔監視データをもとにした最適運用提案により、介護施設特有の24時間365日稼働という制約下で大幅な省エネを達成した。
具体的な手順・工夫
ステップ1:エネルギー消費の現状把握
- 空調機の遠隔監視データを収集し、時間帯・季節・フロア別の消費電力パターンを分析
- 最大需要電力(デマンド)のピーク発生時間帯を特定し、基本料金削減の余地を算定
ステップ2:運用プログラムの最適化
- 省エネ意識向上のための現場スタッフへの運用ガイダンス提供(「まとめない節電など運用上の意識化」)
- 設定温度・運転スケジュールの施設特性に合わせた細かな調整
- 空調機フィルター清掃と定期メンテナンスのスケジュール最適化
ステップ3:高効率機器への段階的移行指針
- LED照明切り替えと高効率空調システムの投資回収試算(初期投資対長期コスト削減の比較分析)
- ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証取得に向けた設備改修ロードマップの提示
エネルギー効率化の3軸
- エネルギー安定供給:日本の自給率13%という脆弱性をふまえた調達リスク低減
- 温暖化防止:化石燃料由来の温室効果ガス削減(IPCC第6次報告書の目標との整合)
- コスト削減:電気料金直接削減+デマンドチャージ抑制の二重効果
得られた結果
社会福祉法人西春日井福祉会「特別養護老人ホーム平安の里」での導入実績(導入直後3か月比較):
- 空調消費電力量:約26.0%削減
- 最大需要電力:13kW抑制
- 電気料金削減額:3か月で269,500円(従量料金14円/kWh、デマンド料金1,400円/kWで試算)
他社が参考にすべき点
- 省エネ対策は設備投資が必須と思われがちだが、運用最適化だけで20%超の削減が可能
- デマンド(最大需要電力)の管理は基本料金削減に直結するため、製造・物流・福祉施設問わず見逃しやすい高効果施策
- 遠隔監視データの活用により、担当者が現地常駐しなくても空調省エネを継続管理できる体制が構築可能
- 特養・病院など24時間稼働施設では季節・時間帯別の精密な運転スケジュール管理が特に効果的
