やったこと

富士電機が食品・化学・鋳造・半導体製造業の工場CO2削減・省エネ対策事例を複数件公開。EMS(エネルギーマネジメントシステム)導入による電力見える化、ヒートポンプを用いた排熱回収・再利用、蒸気エネルギー可視化、電気炉への熱源転換など具体的な手法と削減実績数値を開示した。

具体的な手順・工夫

事例1: 化学製造業B社 — 50拠点EMS導入

  • 国内約50拠点に電力見える化システム(EMS)を一括展開
  • カーボンニュートラル達成に向け電力消費量をリアルタイム集計・監視
  • 全社的な省エネ活動の推進と年間電気料金の大幅削減を実現
  • 関連製品:EMSソリューション

事例2: 食品製造業A社 — 排温水再利用でエネルギーコスト60%削減

  • 生産工程の排温水を蒸気発生ヒートポンプで回収・再利用
  • 現状設備仕様・導線・ランニングコストを詳細分析後にコストシミュレーション実施
  • 結果:エネルギーコスト60%削減、CO2排出量55%削減(約45トン/年)

事例3: コージェネ最適化 — 年間2,100万円コスト削減

  • 電力・蒸気の変動需要をリアルタイム予測し、コージェネ設備の自動制御による最適運転
  • 運用前の課題:ガスタービン過剰稼働による逆送、ボイラー燃料ロス
  • システム導入でエネルギー損失を可視化、対策の優先度付けが可能に
  • 結果:年間2,100万円のコスト削減達成

事例4: 鋳造工場 — キュポラ(コークス炉)から高周波誘導炉へ転換

  • コークス使用炉から最新電気炉(高周波誘導炉F-MELT100G)へ熱源を転換
  • 操炉監視システムも同時導入し、品質・安全性・設備安定稼働を同時改善
  • 「CO2削減・品質向上・安全性などのメリットが多く、良質な鋳物生産につながった」

事例5: 車載用パワー半導体工場 — 排熱ヒートポンプで蒸気再生成

  • 自家発電ディーゼルエンジンの排熱をヒートポンプで回収・蒸気として再利用
  • クリーンルーム加湿用蒸気を排熱由来で供給
  • 結果:エネルギーコスト約55%・CO2排出量約40%削減

業界調査結果(2024年、食品・化学工場対象)

  • エネルギー「見える化」に取り組む企業:82.9%
  • EMS実際に導入している企業:43.7%(従業員規模が大きいほど導入率高)

得られた結果

複数業種でEMS+排熱回収の組み合わせが高い削減効果(エネルギーコスト40〜60%、CO2 40〜55%)を実現。鋳造業では燃料転換(コークス→電気)によるCO2排出の構造的削減も実証済み。

他社が参考にすべき点

工場省エネの実装は「電力見える化(EMS)→課題箇所の特定→排熱回収・設備更新の優先順位決め」の順が効果的。蒸気工程を持つ食品・化学工場は排温水・排熱をヒートポンプで回収するだけでエネルギーコスト40〜60%削減の可能性がある。ヒートポンプ導入前の「熱収支分析」(設備・導線・ランニングコストの詳細分析)が費用対効果の事前確認に有効。EMS未導入の中規模工場は、まず4変電所規模程度からの局所導入でも省エネ活動の見える化が可能。