研究の概要
再生可能エネルギーの大量導入により、電力系統の運用最適化(AC最適潮流:AC-OPF)がますます複雑化している。太陽光・風力の出力変動、負荷変動、運用不確かさが重なると、従来の数値最適化手法は計算時間が爆発的に増大し、リアルタイム系統制御への適用が困難になる。
本研究では、機械学習(ML)を活用した「オンザフライ(on-the-fly)」アプローチを提案。系統状態をオンラインで学習しながら最適潮流問題を解く枠組みにより、精度を維持しつつ計算速度を大幅に向上させた。
主な発見・成果
- 計算速度の飛躍的改善:大規模ネットワークでの従来手法比で大幅な高速化を実現し、リアルタイム系統制御に対応
- 再生可能エネルギー対応:太陽光・風力の確率的出力変動を考慮した適応的学習により、変動電源が多い系統でも安定したソルバー性能を発揮
- スケーラビリティ:小規模系統から大規模系統まで適用可能なアーキテクチャ設計
実務への応用
再生可能エネルギーの系統接続が増加する中、電力会社・系統運用者(TSO/DSO)が直面する「どの電源をどのタイミングで出力調整するか」という実時間意思決定の高度化に直結する技術。また、デマンドレスポンスや蓄電池の最適制御アルゴリズムへの応用も期待できる。
