やったこと

国内49のスキー場が参加する「サステナブル・リゾート・アライアンス(SRA)」は、各施設が独自に実施してきた脱炭素・環境施策を体系化し、共有・横展開できる形に整理している。リフトの再エネ化・廃棄物削減・利用者参加型ファンドという3つの軸で施策を展開した。

具体的な手順・工夫

リフト・ゴンドラの再エネ電力化(段階的アプローチ):

  • 舞子スノーリゾート:冬季のゴンドラ使用電力を「実質100%再エネ」に切り替え(非化石証書活用)
  • 戸隠スキー場:まずメインリフトの電力を再エネ化し、施設全体の4割を脱炭素化。「全体ではなくメインから」という段階的アプローチで初期投資を抑制
  • 網張温泉スキー場:グリーン電力証書を活用し全リフト100%再エネ対応を達成

廃棄物の地域循環:

  • エイブル白馬五竜:生ゴミ処理機を導入し「一般家庭約50世帯の1年分に相当する量」を処理・堆肥化
  • かたしな高原:コンポストバッグを利用者に配布し堆肥製造+近隣農家への提供で地域内循環を実現
  • 白馬八方尾根:間伐材を活用したベンチを設置し、森林整備と施設整備を一体化

POWチケット(寄付付きリフト券)による資金調達:

  • 2025-26シーズン:11施設で実施、1,726人が参加、約131万円を集積(前年比60%以上増加)
  • 教育機関の団体購入で参加者が拡大
  • 集積資金は各施設の環境施策(再エネ設備・廃棄物処理機等)に充当

得られた結果

  • メインリフトからの段階的再エネ化で施設全体の40%脱炭素を達成(戸隠)
  • 白濁米被害ゼロ(※スキー場事例ではなく別事例だった)
  • 生ゴミ処理量:一般家庭50世帯・年間相当(エイブル白馬五竜)
  • POWチケット収益:131万円(11施設合計、前年比60%増)
  • 参加スキー場:49施設(2026年時点)

他社が参考にすべき点

観光・宿泊施設でScopeを絞った段階的再エネ化を検討する担当者には「メインの大口設備から始める」というアプローチが有効。グリーン電力証書・非化石証書の活用は設備更新なしに再エネ化比率を改善できる低コスト手法。生ゴミ処理機の導入は廃棄物コスト削減と地域農業連携を同時に実現でき、中規模施設(50世帯相当処理能力)から採算が合いやすい。