やったこと

前田建設工業は2026年9月30日、愛知県の知多半島道路「大府パーキングエリア(下り)」内の道路遮音壁に、ペロブスカイト太陽電池を設置する実証を開始した。有料道路の遮音壁へのペロブスカイト太陽電池の導入は国内初の取り組みとなる。愛知県が推進する「ペロブスカイト太陽電池普及拡大プロジェクト」の一環で、愛知県道路公社・愛知道路コンセッション(ARC)との三者共同で実施している。

具体的な手順・工夫

設置場所の選定ロジック: 道路遮音壁は全国の道路沿線に広く整備された既存インフラであり、大規模な壁面空間を持つ。前田建設は、この「未利用の壁面空間」をペロブスカイト太陽電池の設置場所として活用できる可能性に着目。土地の新規取得や大規模整備が不要な点が、従来の太陽光発電設備との大きな差別化点となっている。

発電電力の用途設計: 発電した電力を以下の用途に充当することで、「地産地消型道路マネジメント」を実現する計画:

  • WCP(Weed Control Panel):ツル性雑草の生育を抑制する装置。道路管理コストの削減に直結
  • 逆走対策設備:逆走車両を検知・警告するシステムへの給電

実証の評価項目: ①ペロブスカイト太陽電池の発電性能、②施工性(曲面・垂直面への設置可否)、③維持管理性(屋外長期暴露での劣化特性)の三点を検証する。

得られた結果

実証開始直後のため、発電量・コストの実績数値はまだ公開されていない。ただし、地方公共団体(愛知県)と公道コンセッション事業者(ARC)との三者体制で実施しており、成果次第で愛知県内の道路インフラ全体への横展開が視野に入る。

他社が参考にすべき点

  • 既存インフラの壁面活用: 道路・橋梁・防音壁・ダム壁面など、これまで発電に使われていなかった垂直面がペロブスカイト太陽電池の主戦場になりつつある。フィルム型・ガラス型など形状自由度の高さがポイント
  • 道路管理コストへの組み込み: 単なる発電設備ではなく、「発電した電力を道路管理設備の動力源に使う」設計にすることで、投資対効果の説明が容易になる
  • 公民連携スキームの活用: 自治体の「普及拡大プロジェクト」に参画することで、規制対応・許認可・費用分担の交渉コストを大幅に削減できる
  • コンセッション事業者との連携: 公道コンセッション事業者は設備投資インセンティブがあり、再エネ導入の新たなパートナーとして有効