概要

米国では、災害や送電網の障害による大規模停電に備え、地域単位で電力を確保する街づくりが広がっている。鍵となるのは、太陽光発電などの分散型電源、蓄電池、需要制御を組み合わせたマイクログリッドである。平常時は既存の電力網と接続して運用し、停電時には系統から切り離して重要施設へ電力を供給する。脱炭素とレジリエンスを同時に高められる点が、導入を後押ししている。

ポイント

  • マイクログリッドは、病院、消防署、避難所、上下水道など、停電時にも稼働が必要な施設を優先的に支えられる。
  • 太陽光発電や蓄電池を地域内に分散配置することで、送電線や大規模電源への依存を抑え、復旧までの電力を確保しやすくなる。
  • 平常時には電力需要を調整し、電気料金の低減や再生可能エネルギーの自家消費拡大にも活用できる。
  • 導入には、設備費だけでなく、系統からの切り離し・再接続を行う制御技術、運用主体、費用負担の設計が必要となる。
  • 地域の防災計画とエネルギー計画を一体化することが、実効性のあるレジリエンス構築につながる。

実務への示唆

日本の自治体や企業は、まず停電時に電力を維持すべき施設と業務を特定し、太陽光、蓄電池、非常用発電機、需要制御を組み合わせた地域・拠点単位の計画を検討できる。導入効果はCO2削減量だけでなく、停電時間の短縮、事業継続、避難所機能の維持など複数の指標で評価すると、関係者の合意を得やすい。

出典

20261006デイリーSDGsニュース