概要

本稿は、SuMPO(サステナブル経営推進機構)の自主調査をもとに、再生材をめぐる海外動向と日本市場の展望・課題を考察する連載の第1回である。再生材は従来の「廃棄物由来の材料」という位置づけから、製品の競争力や事業継続性を左右する「戦略原料」へと変わりつつある。脱炭素や資源循環への対応が進むなか、企業には再生材の安定調達、品質確保、環境価値の説明が求められる。今後は、再生材を確保できる企業や、製品設計・調達・販売まで一体で循環を構築できる企業が、市場で優位性を持つ可能性が高い。

ポイント

  • 再生材は、廃棄物処理の結果として得られる副産物ではなく、製品製造を支える重要な原料として捉え直す必要がある。
  • 海外では、資源循環や脱炭素を背景に、再生材の利用促進、トレーサビリティ、含有率の把握などが市場形成の重要な要素となっている。
  • 日本では、再生材の量・品質・価格の安定性、回収・選別・加工の仕組み、需要家との情報連携などに課題が残る。
  • 再生材の価値を適切に評価するには、製品単体だけでなく、原料調達から生産、使用、廃棄・再資源化までのライフサイクルで環境負荷を捉えることが重要である。
  • 企業競争力を高めるには、再生材の使用を広報上の取り組みにとどめず、製品設計、調達戦略、サプライチェーン管理に組み込むことが不可欠である。

実務への示唆

まず、自社製品で使用可能な再生材の種類、必要品質、調達量、由来情報を整理し、将来の供給制約や価格変動を把握することが重要である。あわせて、サプライヤーと再生材含有率や環境情報の確認方法をすり合わせ、LCAや製品環境情報として説明できるデータ基盤を早期に整備するとよい。

出典

【第1回】近未来、再生材を制するものが製品市場を制する ― 海外動向も踏まえた我が国再生材市場の展望と課題(SuMPO自主調査)より