概要
本稿は、欧州を中心とする海外動向を踏まえ、日本の再生材市場が今後どのように形成されるべきかを展望する。欧州では、再生材を使用した製品の市場を企業の自主的な取り組みだけに委ねず、制度によって先行的に創出する動きが進んでいる。再生材の利用拡大は、廃棄物削減や資源循環にとどまらず、製品競争力やサプライチェーンの主導権にも関わるテーマである。日本では、再生材の品質・量・価格、回収や選別の仕組み、需要家による評価方法などを一体的に整備することが課題となる。
ポイント
- 欧州は、再生材の利用目標や製品要件などを通じて、「再生材を使う市場」を制度的に創出している。
- 再生材の普及には、供給側の技術開発だけでなく、需要側が継続的に購入する仕組みと予見可能な市場が必要である。
- 再生材は、バージン材と同等の品質・安定供給・トレーサビリティを確保できるかが、製品メーカーによる採用の鍵となる。
- LCAや環境ラベルなどを活用し、再生材の環境価値を製品選択や調達判断に反映できる評価基盤が求められる。
- 日本では、欧州制度への対応に加え、国内の資源循環事情や産業構造に適した市場形成策を検討する必要がある。
実務への示唆
企業は、再生材の使用可能量や品質だけでなく、将来の規制・顧客要求・調達基準を見据えて、早期にサプライヤーや回収事業者との連携を構築すべきである。また、製品ごとの再生材含有率、由来、環境負荷を把握し、LCAや調達情報として説明できるデータ基盤を整備することが、競争力と市場アクセスにつながる。
出典
【第2回】近未来、再生材を制するものが製品市場を制する ― 海外動向も踏まえた我が国再生材市場の展望と課題(SuMPO自主調査)より
