やったこと

出光興産は傘下の出光ケミカルリサイクル・ジャパン(CRJ)と連携し、使用済みプラスチック由来のケミカルリサイクル油(CR油)を既存の石油精製装置で処理してナフサを製造する「一貫体制」の構築に成功した。廃プラスチックの調達から最終製品の製造まで、グループ内で垂直統合的に完結させた国内初の事例となる。

具体的な手順・工夫

従来のケミカルリサイクルは「廃プラ回収→油化(外部)→石油精製(外部)」と工程が分断されていたが、出光は以下のプロセスを一気通貫で内製化した。

  1. 廃プラスチックの調達:パートナー企業(製造業・小売業等)から使用済みプラスチックを調達
  2. 油化処理:CRJの設備で熱分解・油化し、CR油(ケミカルリサイクル油)を製造
  3. 石油精製装置での処理:既存の出光製油所の石油精製装置(水素化精製等)にCR油を投入
  4. ナフサの製造:化学品・プラスチック原料となるナフサとして出荷

ポイントは「既存の石油精製インフラを改造せずに活用」した点にある。新規設備投資を最小化しながら、廃プラリサイクルを既存事業に組み込んだ。

得られた結果

グループ内での一貫体制構築を実証。廃プラ→ナフサのサーキュラーエコノミーチェーンを国内で完結させる供給体制を確立した。具体的な年間処理量は非公開だが、商業規模での展開に向けた実証フェーズが完了した段階。

他社が参考にすべき点

石油・化学・素材メーカーが既存精製インフラを保有している場合、新設備不要でケミカルリサイクルを取り込めるモデル。Scope3のカテゴリ11(製品の廃棄)削減と、バージン原料代替によるカーボンフットプリント削減を同時に訴求できる。廃プラ調達のパートナーシップ構築が先決課題。