概要
本稿は、地域活性化の延長としてではなく、日本の国土そのものを再生する視点から、地域経済のあり方を捉え直す最終回である。未利用・放置されている資源を、価値のないものや負担として扱うのではなく、地域の再生に活用できる資産として再定義することを提起している。さらに、地域外へ流出し続けてきた資本を国土や地域内へ再配分し、自然環境、産業、暮らしが持続的に循環する経済への転換を論じる。脱炭素の実現においても、排出削減だけでなく、土地・資源・資本の関係を地域から組み替えることが重要になる。
ポイント
- 「地方創生」という人口や産業の維持を中心とした発想から、「国土再生」という長期的かつ構造的な視点へ転換する。
- 未利用・放置資源を、廃棄や管理コストの対象ではなく、地域の価値創出や環境再生につながる資産として捉え直す。
- 地域で生み出された価値や資本が地域外へ一方的に流出する構造を見直し、国土や地域への再投資を促す。
- 経済成長、環境保全、地域の暮らしを別々に扱わず、相互に再生させるリジェネラティブ・エコノミーを目指す。
- 地域ごとの資源、課題、担い手を起点に、中央集権的な一律政策ではなく、現場から日本の将来像を組み立てる。
実務への示唆
企業や自治体は、未利用地・遊休施設・地域資源を単なるコストや遊休資産として処理せず、環境価値、雇用、地域内循環を含めて再評価する必要がある。脱炭素事業を企画する際は、排出量削減効果だけでなく、投資資金が地域に残るか、自然環境や地域の生活基盤を再生するかという観点を評価軸に加えると、より持続的な事業設計につながる。
