概要
本稿は、サステナビリティを含む非財務情報について、「間違ったときに何を書くか」という訂正の問題を起点に、保証や内部統制のあり方を考える内容です。非財務情報には保証の仕組みが存在しないわけではなく、実際に保証を取得する企業は増加しています。22法域・約1,400社を対象とした観測では、サステナビリティ情報について何らかの保証を取得した企業の割合が、2019年の51%から2023年には73%へ上昇しました。国際的な保証基準ISSA 5000や、日本企業の保証報告書94件を分析した研究にも触れ、保証を形式的な儀式で終わらせず、誤りの訂正や情報作成プロセスと結び付ける論点を提示しています。
ポイント
- 非財務情報の保証取得は、2019年から2023年にかけて51%から73%へ増加している。
- 保証の有無だけでなく、情報に誤りがあった場合に何を開示・訂正するかが重要な論点となる。
- 国際的な保証基準としてISSA 5000が存在し、保証実務の標準化が進められている。
- 日本でも94件の保証報告書を対象とした分析研究があり、国内実務を検討する材料となる。
- 保証は独立した確認作業にとどめず、非財務情報の作成、訂正、内部統制と一体で設計する必要がある。
実務への示唆
企業は保証を取得する前に、データの出所、算定根拠、承認者、訂正履歴を整理し、誤りを発見した際の判断・開示手順をあらかじめ定めることが重要です。保証報告書の取得実績だけでなく、情報の信頼性を継続的に支える内部統制として運用できているかを確認すべきです。
