概要(3〜5文)
本稿は、SuMPO(サステナブル経営推進機構)が実施した自主調査をもとに、我が国における再生材市場の展望と課題を整理する新連載の導入記事である。再生材は、単なる「環境配慮材」ではなく、製品の競争力や安定供給を左右する「戦略原料」へと位置付けが変わりつつある。海外では、資源循環や脱炭素、サプライチェーン強靱化の観点から、再生材の利用拡大に向けた制度・市場づくりが進展している。こうした動向を踏まえ、日本企業が再生材を安定的に調達・利用し、製品市場で優位性を確保するための論点を検討する。
ポイント
- 再生材の価値は、環境負荷低減だけでなく、資源制約への対応、原料調達リスクの低減、製品競争力の強化に広がっている。
- 海外では、再生材の利用を促す政策、規格、情報開示、サプライチェーン形成が進み、市場拡大の基盤が整備されつつある。
- 日本では、再生材の量・品質・価格の安定、用途ごとの規格整備、回収から再資源化までの連携が重要な課題となる。
- 再生材の環境価値を適切に評価するには、ライフサイクル全体での環境負荷や資源循環効果を把握することが欠かせない。
- 企業には、調達部門だけでなく、設計、製造、品質保証、営業、サステナビリティ部門が連携した戦略的な対応が求められる。
実務への示唆
日本企業は、まず自社製品で使用可能な再生材の種類、要求品質、調達量、コスト、環境情報を整理し、将来の調達リスクを可視化する必要がある。そのうえで、再生材サプライヤーや回収・再資源化事業者との連携を早期に構築し、品質・トレーサビリティ・LCAデータを含む評価基盤を整えることが、製品開発と市場対応の両面で有効である。
出典
【新連載】近未来、再生材を制するものが製品市場を制する ― 海外動向も踏まえた我が国再生材市場の展望と課題(SuMPO自主調査)より
