概要

韓国が2027年1月から再生可能エネルギー調達制度を根本改革する。現行のREC(再生可能エネルギー証書)割当制度(RPS)を廃止し、年間2〜4回の入札によるKEPCO(韓国電力)との長期固定価格契約方式に移行する。2026年9月に環境省が実施規則案を公表し、太陽光・陸上風力のロードマップ策定が年内に予定されている。

実装ステップ

新制度の基本構造

  1. 契約メカニズムの理解

    • KEPCOが落札案件と長期固定価格契約を締結
    • 月次精算:契約価格と卸電力価格(SMP)の差額をKEPCOが支払い(または回収)
    • 固定価格保証によりプロジェクトの資金調達リスクが大幅に低下
  2. 入札参加資格の確認

    • 主市場(Main Market):競争入札(価格+非価格要素で評価)
      • 非価格要素:コミュニティ受容度・国内産業貢献・系統影響
    • 小規模専用枠(≤500kW):別途の入札市場、主市場と同一上限価格
    • VPPポートフォリオ(≥1MW):主市場インセンティブを受ける資格あり
  3. デベロッパー向けの義務

    • 大型発電事業者(通常≥500MW、再エネ≥100MW)は容量ベースの設備開発義務
    • 不足分へのペナルティ:不足量×150%相当
    • 代替コンプライアンス支払い(最初3年間は義務の30%まで対応可)
  4. 入札参加の手順

    • 天井価格(上限価格):官民費用評価委員会が年次で設定
    • 太陽光・陸上風力のロードマップ:2026年末公表予定
    • 最初の入札公告:2027年Q1
    • 入札書類の準備:サイト確保・系統連系協議・コミュニティ合意の証明
  5. 移行期間の対応

    • 既存RECスポット売り事業者:年次「移行市場」で長期契約への移行が可能
    • REC市場の閉鎖:2029年末(既存20年契約は2046年まで継続)

使うツール・標準

  • 韓国新再エネ電力取引法(草案)(2026年9月公表)
  • KEPCO入札ポータル(2027年Q1以降)
  • 韓国電力거래소(KPX)卸電力価格(SMP)データ
  • KEPCO 연계 시스템(系統連系申請)

成功のポイント

  • 「天井価格=現実的か」の事前確認:上限価格が案件のIRR目標を達成できるか、コスト評価委員会の設定方針を早期に把握する
  • 非価格要素の準備:コミュニティ合意・国内部品調達比率は審査得点に影響。早期の地域住民との対話が差別化要因
  • 移行市場の活用:既存スポット売りREC案件は2029年末までに移行市場で長期契約化するメリットがある(収益安定化)
  • VPPポートフォリオ枠の活用:1MW以上に集約したVPPポートフォリオは主市場インセンティブを受けられる

日本企業への適用

日本はFIT/FIPと入札制度が並立する体制だが、韓国の長期固定価格CfD型移行モデルは日本のFIP改革議論に示唆を与える。韓国に再エネ事業を展開する日本企業・投資家はREC制度廃止後の既存案件の移行計画を2026年末までに策定する必要がある。新規開発を検討する場合は2027年Q1の第1回入札に向けてサイト確保と系統連系申請を優先する。