概要
日本ガイシ(NGK)が開発したハニカム構造セラミクスが、Avnosの直接空気回収(DAC)施設「Project Brighton」(ニュージャージー州)に採用され稼働を開始した。自動車排気浄化用に開発された産業技術をDAC向けに転用した事例で、年間450トンのCO₂回収と約47.5万リットルの清水生産を目標とする。
実装ステップ
技術選定と設計
- 固体吸着剤型DACプロセスに適したハニカム構造体の選定
- 必要条件:大きな比表面積・低圧力損失・高機械的強度
- NGK HoneyCERAMは自動車排ガス規制対応での実績を持つ既製品
- 吸着剤とセラミクス担体の組み合わせ設計
- 再生サイクル(吸着→加熱再生→CO₂回収)の最適化
施設への統合 4. Avnosのハイブリッド型DAC設計(CO₂と水を同時回収)への組み込み 5. プレッシャードロップ(空気流の圧力損失)の最小化によりブロワー電力を低減 6. 運転データの収集と性能パラメータの検証
スケールアップ計画 7. Project Brightonでの実証データを基に次世代機の設計改良 8. NGKのグローバル生産ネットワーク(8カ国)を活用した量産体制構築
使うツール・標準
- NGK HONEYCERAM(ハニカム構造セラミクス担体)
- Avnos ハイブリッドDAC技術(CO₂・水同時回収)
- 固体吸着剤型DAC(SSTL:Solid Sorbent Temperature/Liquid)プロセス
- ISO 27919(炭素回収技術の性能評価標準、参照)
成功のポイント
- 既存産業技術の転用:自動車・工業向けセラミクスをDACに応用することで開発コストと時間を大幅短縮
- 低圧力損失設計の重要性:DACの電力コストの主要因はブロワー電力。直線チャンネル構造はペレット方式より空気抵抗が低く運転コストを削減
- 実証規模での稼働データ:商業展開前に実際の大気・気象条件下での長期運転データを取得することが次のスケールアップへの必須ステップ
- 副産物の価値化:生産される清水を収益源とすることでDAC全体のビジネスモデルを改善
日本企業への適用
NGKはすでに国内に製造基盤を持つ日本企業であり、日本のDAC研究機関・スタートアップとの連携による国産DAC技術開発の加速が期待される。経産省のグリーンイノベーション基金のDAC関連テーマでは、こうした産業部品転用アプローチが採択されやすい。製造業でCO₂回収を検討している企業は、既存の燃焼排ガス処理設備との技術的シナジーを評価する価値がある。
