実装のポイント
TOPPANグループは2030年に向けてScope1・2・3のそれぞれで2017年比54.6%削減を目標とし、具体的な実装手法を公開している。2017年からサプライヤー一次データ収集を継続し、2023年にはICP(インターナルカーボンプライシング)制度を導入、さらに全Tier1サプライヤーへのSBT認証取得の義務化要請を進めている点が特筆すべき実装内容だ。
具体的な手順
Scope1・2の削減実装
- EMS・スマートファクトリー導入: リアルタイムの電力使用量モニタリング・可視化システムを工場に展開し、拠点ごとのエネルギー消費を常時把握
- ICP制度による社内投資判断の整合(2023年〜): 社内CO2削減投資にカーボン価格を設定し、設備更新・再エネ導入の投資判断基準に組み込む。ICPがないと部門ごとの投資判断がバラバラになる問題を解消
- 主要設備の計画的高効率化: 冷凍機・LED照明・空調設備の老朽化更新を高効率機に限定
- 再エネ導入ロードマップ: 太陽光パネルの自家設置とCO2排出係数が低い電力契約を組み合わせ。2030年に再エネ比率25%目標
Scope3の削減実装
- Tier1一次データ収集の継続(2017年〜): 全Tier1サプライヤーと物流会社から排出量一次データを継続収集。推計値から実測値ベースのScope3算定へ移行することで精度を確保(9年以上の蓄積)
- SBT認証取得をサプライヤー調達要件化: Tier1サプライヤーに対してSBT(Science Based Targets)認証の取得を直接要請し、バリューチェーン全体での削減にコミットさせる
- 共同LCAの実施: 主要製品・原材料のサプライヤーと共同でライフサイクルアセスメントを実施し、カテゴリー1(購入した製品・サービス)の削減効果を可視化
得られた結果
- Scope1・2 2030年目標:2017年比54.6%削減
- Scope3 2030年目標:2017年比54.6%削減(過半を占めるカテゴリー1が主対象)
- ICP制度稼働:2023年度〜
- 一次データ収集継続期間:2017年〜(2026年時点で9年超の蓄積)
- 2050年長期目標:Scope1・2・3ともに90%削減でネットゼロ
