実証の背景

太陽光は天候や時間帯によって発電量が変わるため、需要と発電の時間的なミスマッチが課題になります。GHGプロトコルの見直し議論を背景に、消費電力量と再エネ発電量を1時間単位で一致させて評価する「Hourly Matching」への関心が高まっています。

具体的な手順

  1. 前段の実証(2024年12月〜2025年9月)で、太陽光とバイオマスを使い、通信ビル3拠点の発電量と消費電力量を1時間単位で追跡した。
  2. バイオマスの定期点検で発電が止まる時間帯には、カーボンフリー電力が不足することが確認された。
  3. 今回は系統用蓄電池を補完手段として加え、太陽光の余剰電力を充電し、発電量が少ない時間帯に放電する運用を想定した。
  4. 西日本の複数の太陽光発電所と1カ所の系統用蓄電所、同エリアの複数の通信ビルを組み合わせ、拠点ごとに発電量・消費量が異なる実運用に近い条件を設定した。
  5. 太陽光の実績、蓄電池の実績、需要拠点の実績データを使い、1時間単位で需給をマッチングする。
  6. 評価はEnergyTag Standardに準拠した形で行い、認定発行機関のプラットフォームを用いる。
  7. カーボンフリー電力供給率と電気料金の関係を定量的に評価し、経済合理性を踏まえた適用条件を整理する。

得られた結果

本実証は2026年10月1日に開始したばかりで、供給率の向上幅や経済性の結果はまだ公表されていません。一方で、前段の結果から「再エネの発電停止や出力変動を補う手段が必要」という知見が得られ、蓄電池を組み合わせる判断につながっています。

実装のポイント

  • 年間ベースの再エネ量だけでなく、1時間ごとの消費データと発電データを揃えることが出発点になる。
  • 複数の発電所と需要拠点を組み合わせると、拠点ごとに異なる実運用に近い条件で検証できる。
  • 役割は、データ提供と充放電計画、マッチング・経済性評価、需要家側の実用性評価に分けられている。