概要

本稿は、SuMPOの自主調査をもとに、再生材をめぐる国内外の動向を踏まえ、日本の再生材市場の展望と課題を考察する連載第8回である。再生材は、廃棄物処理や環境配慮のための代替素材にとどまらず、今後の製品競争力や市場シェアを左右する経営資源になり得る。特に企業には、調達可能性、品質、価格、環境価値などが異なる再生材を、単発の調達ではなく「再生材ポートフォリオ」として捉え、経営管理する視点が求められる。海外の制度・市場の変化も視野に入れながら、再生材の安定確保と価値の可視化が重要なテーマとなる。

ポイント

  • 近未来の製品市場では、再生材を確保・活用する能力が、企業の競争力や製品供給力に直結する可能性がある。
  • 再生材には、素材ごとに品質、供給量、価格、由来、環境負荷などの違いがあり、単一の調達先や素材だけに依存することにはリスクがある。
  • 企業は再生材を個別案件で扱うのではなく、複数の素材・調達先・用途を組み合わせたポートフォリオとして管理する必要がある。
  • 再生材の価値を市場で適切に評価するには、環境情報や由来の信頼性、品質の安定性を比較可能な形で示すことが欠かせない。
  • 海外動向を踏まえ、国内企業は制度変化や需要拡大に先回りして、調達・設計・販売を一体化した対応を検討すべきである。

実務への示唆

まず、自社製品で使用可能な再生材を用途別に整理し、供給量、品質、価格、環境情報、調達リスクを一覧化することが有効である。そのうえで、再生材の採用を設計・購買部門だけの課題にせず、経営計画や製品ポートフォリオ、サプライチェーン戦略と結び付けて管理することが重要となる。将来の規制や顧客要求に備え、再生材のトレーサビリティと評価方法を早期に整備したい。

出典

【第8回】近未来、再生材を制するものが製品市場を制する ― 海外動向も踏まえた我が国再生材市場の展望と課題(SuMPO自主調査)より