やったこと
科学的根拠に基づく削減目標(SBT)を、コミットメントから目標申請・社外公表・進捗開示まで、実務の段階ごとに整理した手順書です。社内でどの順で何を準備すればよいかを示しています。
具体的な手順・工夫
- コミットメント: SBTiに「科学的目標を設定する意思」をコミットメントレターで提出します。正式な目標は、この時点から2年以内の提出が求められます。
- 現状把握と目標案: 基準年のScope 1・2・3の排出量を算定します。基準年は、過去数年の中で排出量が平年並みの年を選ぶのが一般的です。
- データ収集: 部門ごとに必要なデータ(エネルギー使用量、購買品目、出張・物流実績など)と担当者、収集フォーマットを先に決めます。電力料金との照合や購買と在庫の突合で、抜けや異常値を確認します。
- 目標水準: 新規認定では、Scope 1・2で「1.5℃水準(年4.2%以上の削減)」を満たすことが必須です。
- 社内承認: 長期目標は事業戦略に影響するため、取締役会レベルでの審議が望ましいとされています。
- SBTi申請: 検証ポータルから申請します。まず形式要件の確認(テクニカルスクリーニング)があり、不備は差し戻されます。検証には30〜60営業日程度を要し、結果は「承認(Validated)」か「却下(Needs revision)」です。
- 社外公表: 承認後、通常1か月以内にSBTi公式サイトへ掲載されます。自社もSBTiの発表ガイドラインに沿って公表します。
- 実行と開示: 毎年の排出実績を追い、進捗を社外にも毎年開示します。
得られた結果
記事は個社の成果数値を示さず、申請までの段取りを中心にまとめています。
他社が参考にすべき点
- 基準年のデータ集めが最も時間を取るため、申請の前年度から部門と協議を始めるのが現実的です。
- サプライヤーの一次データを優先し、外部の業種平均は補助として使うことが推奨されています。
- 審査は1〜2か月かかるため、取締役会や公表の日程を逆算して組みます。
- 食品・飲料や紙パルプは、FLAG(森林・土地利用・農業)として別途の目標設定が必要です。
