対応の全体像
2026年7月に公布された改正建築物省エネ法により、2028年度から大規模建築物を対象に建材のLCA(ライフサイクルアセスメント)報告が義務化される。対象は非住宅の大規模建築物から始まり、段階的に広がる予定とされている。義務を負うのは建材メーカーだけではなく、建設会社・設計事務所・発注者も関わる。
具体的な手順・工夫
- 建材メーカー: 対象製品を選び、製品単位でLCAを算定する。PCR(製品カテゴリルール)に基づく第三者検証を受けてEPD(環境製品宣言)を登録する。予算とスケジュールを組み、SuMPOへ早めに相談する。製品のCFP(カーボンフットプリント)算定にはASUENE LCAなどのツールが使われる。
- 建設会社・設計事務所: 主要サプライヤーにEPDの有無、今後の取得計画、製品別CFPデータ、削減の取り組みを確認する。建物全体の評価には建築物ホールライフカーボン算定ツール(J-CAT)を使う。木造や鉄骨・RCのハイブリッド構造、長寿命化改修など、低炭素な工法も検討する。
- 全社共通: 設計・積算・調達・経営計画の各部門で要件を共有し、既存の業務フローに組み込める算定ツールを探す。
押さえておくべき数字・費用
- 国土交通省の資料として、建材製造と建設段階(アップフロントカーボン)は建物のライフサイクルCO2の約3割、解体・改修を含む埋め込み炭素全体では約5割とされる。
- EPDの費用(SuMPO・2026年7月時点)は、基本検証料30万円/件、データ登録料2.5万円〜/件。コンサル費用は別途かかるため、総額は案件により異なる。
- 国土交通省の「サステナブル建築物等先導事業(LCCO₂評価先導型)」(2026年5月公表)が使える可能性がある。ただしLCA・EPD業務に特化した補助金は少ないとされる。
他社が参考にすべき点
- 記事は、EPDを持つ製品が大規模案件で選ばれやすくなると指摘している。義務化を待たず、取得計画を先に立てる価値がある。
- 小規模な案件に関わる事業者も、対象の拡大を見据えて今から準備しておくとよい。
