CDP Atlas: the questionnaire as a computation device
CDPの企業気候質問書を、企業が出す回答ではなく質問書そのものとして構造解析する独立研究です。 この instrument は、企業の環境行動の何を観測可能・比較可能・採点可能に変換し、何を観測不能のまま残すのか—— それを2024・2025・2026の3サイクルにわたって測ります。
What this is not
- CDPの公式サービス・提携・承認を示すものではありません(独立した学術研究です)。
- 企業の回答データは一切使用していません。対象は公開質問書・ガイダンス・採点方法・変更履歴のみです。
- この公開版にはCDP文書の本文(質問文・回答ラベル・ガイダンス抜粋)を一切含みません。
1 · 何を測ったか
Module 7(気候・GHG排出モジュール)の記入可能な最小単位(datapoint)を全数モデル化し、 各 datapoint を批准済みルーブリック CDP-SNE v1.0 の三軸で分類しました。
測定値・構造化された量・限定選択(実体そのもの)
自由記述・裁量的な説明(実体を言葉で包む)
検証可能なフック(エビデンス添付・第三者検証)
2 · 批准層ごとの内訳(S / N / E)
下のバーは、各サイクルで人間が批准した datapoint の中でのS / N / E内訳です (各バーは批准層内で100%に正規化)。バーの母数(批准カバレッジ)はサイクルごとに大きく異なるため、 年をまたいだバー同士の高さ・比率の比較はできません。各バーの右肩に母数を明記します。
| Year | S | N | E | 批准 | AIレビュー | 保留 | 総計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024 | 663 | 111 | 22 | 796 | — | 205 | 1,001 |
| 2025 | 608 | 102 | 23 | 733 | — | 250 | 983 |
| 2026 | 276 | 130 | 14 | 420 | 496 | 58 | 974 |
3 · AIと人間の分担
決定論的なプリパスが、構造的手がかりと独立した意味的手がかりが一致する行だけを自動割当しました(高精度・低再現率)。 残りはAIセッションがルーブリックに照らしてレビューし、盲検の二審を通しました。 不一致は仲裁せず保留します。人間(研究主宰)は方法と行バッチを明示的に批准し、 AI推奨は149行の盲検A/Bサンプルで監査(観測一致97.3%)してから一括確定しました。 各批准レコードは、対象とする全入力のSHA-256に束縛されています。
4 · 6つの構造指標
構造的観測可能性・エビデンス強制力・ナラティブ裁量・ルート比較可能性・時間的比較可能性・開示負担—— をサイクルごとに算出し、式は逐語で同梱します。証拠が不十分な箇所はnot_evidenced またはpartial_lower_bound と明記し、決して黙って0や1にしません。
5 · 権利境界と再現性
公開版にはCDP文書の本文を一切含みません。公開成果物はすべてallowlistでゼロから構築し (内部行から項目を削る方式は採らない)、ハードゲート監査を通過します (内部由来の全語句を公開ファイル全体に照合し、1件でもヒットすればビルドがパッケージを削除して失敗)。 質問IDと分類を対にした行単位データは、CDPへのライセンス確認が済むまで公開を保留します。
6 · データを入手する
独立した学術研究(国分裕之)。CDPとの提携・CDPによる承認・スポンサーを示すものではありません。 「CDP」は研究対象を指す名称として用いています。CDP-SNEのE軸(Enforceability=強制力)は ドメイン固有の操作化であり、一般SNE系譜のE=Expectation(期待)とは相互運用しません。