研究の概要

再生可能エネルギーや電気自動車(EV)などの分散型エネルギーリソース(DER)の系統接続が急増するなか、配電系統の容量不足と公平な接続配分が世界的な課題になっている。本研究(Vahabzad他4名、2026年)は、「非確定接続契約(Non-Firm Connection Agreement)」のもとでDERに時変的な電力上限を動的に割り当てる二段階最適化(バイレベル最適化)フレームワークを提案した。上位最適化(DSO視点)では系統制約を満たしながらLIFO(後入れ先出し)ルールに基づく容量割当を行い、下位最適化(DER事業者視点)では各リソースの収益を最大化する。

主な発見・成果

改良型CIGRE中電圧ネットワークでの検証で、①カーテールメントコストが既存手法比で最大80%削減。②DER統合の透明性向上(配分ルールの明示化)。③配分変動の縮小(安定的な接続条件の提供)。LIFOルールの採用により、接続申請が古い既存DERの優先権を保護しながら新規接続を柔軟に組み込む仕組みが実現された。非確定接続の枠組みでも経済性を担保できることが示され、系統側・DER側双方に利益をもたらすバランス点が存在することが確認された。

実務への応用

日本では電力系統への再エネ接続問題(系統混雑・接続制約)が普及加速の大きなボトルネックとなっている。①ノンファーム型接続(日本でも導入が進む接続方式)の容量管理に本研究のアプローチは直接適用可能。②電力会社や系統計画担当者は、静的な接続上限ではなく時変的な動的容量割当を採用することで同一系統でのDER受容量を大幅に増やせる。③太陽光・蓄電池・EV充電インフラ事業者は、非確定接続でも80%のカーテールメント削減が示す通り、従来の想定より高い設備稼働率と収益性を期待できる。