やったこと
CarbonLinkが公開した解説記事は、J-クレジット(日本政府認証のCO2削減クレジット)の購入を検討する脱炭素担当者向けに、クレジット種類別の価格相場・購入企業事例・選び方を整理した。環境省・経産省・農水省が共同運営する本制度は2013年度に開始し、累計1,100万t-CO2以上の認証実績がある。
具体的な手順・工夫
J-クレジットの種類別価格相場(2026年版)
| 種類 | 価格帯(円/t-CO2) | RE100・CDP計上可否 |
|---|---|---|
| 再エネ電力由来 | 5,000〜6,000 | ✅ 再エネ電力使用として計上可 |
| 省エネ由来 | 3,000〜4,000 | △ CO2オフセットのみ |
| 森林吸収由来 | 10,000〜15,000 | △ 地域貢献訴求向き |
購入目的の定義→種類選択の流れ
- 目的の明確化:温対法報告 / CDP・SBT対応 / GX-ETS事前調達 / PR活用 のどれかを先に定める
- 種類の選択:RE100・CDPで「再エネ電力使用」として計上したい場合は「再エネ電力由来」一択。温対法オフセットだけなら「省エネ由来(安価)」で十分
- 調達経路:ブローカー仲介・政府認定オークション(JCM等)・相対取引から選択
企業事例
- ソニーグループ:RE100・SBT対応で再エネ電力由来クレジットを活用
- 日本生命保険・三井住友銀行:同様にRE100対応で購入
- 中小企業層:取引先(大手メーカー)からのサプライチェーン対応要請を受けた購入が急増
GX-ETS本格稼働(2026〜)への影響
- GX-ETS排出枠として活用できるJ-クレジットへの需要増が見込まれ、価格上昇前の事前調達戦略を採用する企業が増加中
得られた結果
- 「どの種類を・いくらで・どの目的で買うか」を1記事で把握できる選定フレームワークを提供
- CDP・SBT目標達成に向けた補完手段として中小企業でも活用できるコスト感が明確になる
他社が参考にすべき点
中小〜中堅企業の環境・CSR担当者向けの3つのポイント:
- 購入目的を先に1択で決めてから種類を選ぶ——RE100・CDP「再エネ計上」が目的なら「再エネ電力由来(5,000〜6,000円)」以外は不適格。目的を曖昧にしたまま安価な省エネ由来を買うと、報告書で計上できず再調達になる。
- GX-ETS事前調達は2026年中が価格メリットのある時間帯——排出量取引制度の本格稼働で需要増加→価格上昇の可能性があり、CFOへの稟議では「調達タイミングリスク」として価格変動シナリオを示す。
- サプライチェーン対応型の中小企業購入は「取引先のSBT認定要件」を根拠に社内稟議を通す——自社のRE100目標ではなく「大手取引先のScope3削減要請」を起点にすると、コスト投資の説得がしやすい。