実装のポイント
住宅建材の専門商社であるナイスは、国内主要製造7拠点で消費するすべての電力(年間約764万kWh)を実質再生可能エネルギーへ切り替えることに成功した。展開戦略として高圧電力を契約している拠点を優先的に再エネ化し、その後に低圧拠点へ順次展開する手順を採用した。高圧契約拠点は電力消費量が多く、切り替え1拠点あたりの削減量が大きいため、費用対効果が最大化される。
CO2削減量の定量化には、ロケーション基準(全国平均排出係数:0.000423 t-CO2/kWh)を使用。年間電力消費量764万kWhにこの係数を乗じ、年間約3,200 t-CO2の削減量を算出・公表している。
具体的な手順
- 全拠点の年間電力消費量と契約種別(高圧/低圧)を棚卸しし優先順位を設定
- 消費量が大きい高圧電力契約拠点から再エネメニュー(グリーン電力・非化石証書等)へ切り替え
- 低圧拠点を順次展開し7拠点の全量再エネ化を完了
- ロケーション基準の全国平均排出係数(0.000423 t-CO2/kWh)を用いて削減量を算定
- 削減量と2030年目標(製造工程CO2排出量50%削減)への進捗を公表
得られた結果
- 全7拠点の年間電力消費量:約764万kWh
- 年間CO2削減量:約3,200 t-CO2相当
- 2030年3月目標(製造工程CO2 50%削減)に対して大幅な進展
「高圧から低圧へ」という優先順位設定は、再エネ化の費用対効果を最大化する実務的アプローチとして参考になる。複数拠点を持つ製造業が全量再エネ化に取り組む際に、リソースを効率的に配分するためのロールアウト戦略として応用できる。