実装のポイント
INPEXは新潟県柏崎市で、「国産天然ガス → ブルー水素製造 → CO2地中貯留 → 水素発電 → 地域への電力供給」という一貫したブルー水素バリューチェーンの実証を開始した。これは国内の在来型天然ガス田を活用した初の統合型水素サプライチェーン実証であり、脱炭素化への橋渡しとしてのブルー水素の実装モデルを示す。
具体的な手順(バリューチェーンの各ステップ)
- 原料調達:南長岡ガス田(長岡市)で産出する国産天然ガスを採掘
- 水素製造とCO2分離:柏崎水素パークにてスチームリフォーミング等で水素を製造。この過程で排出されるCO2を分離回収する
- CO2地中貯留(CCS):回収したCO2を柏崎市東柏崎ガス田の枯渇ガス田(平井地区)に圧入・貯留。大気への排出を抑制する
- 水素発電と電力供給:水素から発電した電力を地元新電力「柏崎あいあいR Energy株式会社」経由で市内の公共施設・民間事業者に供給
得られた結果
実証期間は2026年9月末まで。INPEX は実証後の商業化を計画しており、同プロジェクトは以下の点で日本のブルー水素実装の先行事例となる:
- 地産地消モデル:国内ガス田→水素→地域電力という完結した地域内エネルギー循環
- CCS統合:既存ガス田インフラを貯留層として転用することでCCS コストを低減
- 電力流通:地域新電力を活用した既存送配電網を迂回しない分散型供給モデル
ブルー水素は再エネ電力が安定供給されるまでの移行期における現実的な低炭素水素供給手段として位置づけられる。