やったこと
NECは2026年7月16日、サプライヤーから直接収集した「一次データ」を活用した独自のScope3(カテゴリ1:購入品・サービス)算定手法を確立し、2025年度の排出量を前年比12%削減(393万トン→343万トン)したと発表した。従来の産業平均の二次データに依存した算定から脱却し、実際のサプライヤー排出強度を反映する「ハイブリッド算定手法」を導入した。
具体的な手順・工夫
- サプライヤーポータルの整備:自社開発システム「GreenGlobeX for Value Chain」にサプライヤー向けポータル機能を実装。調達システムと連携し、AI支援による情報収集を組み込んだ。
- 一次データ収集:主要サプライヤーから排出量と売上データを直接収集し、サプライヤー固有の「排出原単位」を算出。
- データ品質検証:収集したデータの品質を検証してから排出量計算に使用。GHGプロトコルScope3基準への適合を第三者機関が確認。
- ハイブリッド手法の適用:一次データが取得できたサプライヤーには固有原単位を適用し、未取得部分には引き続き二次データを補完利用。
三次検証(サードパーティアシュアランス)も取得し、環境省が推奨する一次データ活用の先行事例となった。
得られた結果
- Scope3カテゴリ1の排出量:392万トン→343万トン(約12%削減)
- サプライヤー個別の削減努力が自社のScope3算定値に正しく反映されるようになった
- 第三者機関によるアシュアランス取得で開示信頼性を向上
- 環境省の推奨事例として位置づけられた
他社が参考にすべき点
- 産業平均の二次データではサプライヤーの削減努力が自社の算定に現れないという構造的欠陥を解決する手法として有効。IT・製造業など大規模サプライチェーンを持つ企業に即応用可能。
- 「調達システムとの連携」と「AIによる情報収集」を組み合わせた運用設計がスケール化のポイント。
- GHGプロトコル準拠+第三者検証という二重の信頼性担保が規制対応でも有効。
- 中小サプライヤーへの段階的な展開(一次データ取得できるところから始め、残りは二次データで補完)が現実的なスタート方法。