やったこと
大阪ガスは近畿2府4県の業務用・産業用顧客に対して、コジェネレーションシステム等の高効率ガスシステムを提案・導入支援し、その顧客が得たCO2削減量をJクレジットとして大阪ガス自身が購入するアグリゲーターモデルを構築した。購入したクレジットは地域イベントのカーボンオフセットや兵庫県との連携PRに活用し、2015年度だけで3,079t-CO2のクレジット流通を実現した。
具体的な手順・工夫
Step 1: クレジット創出側(顧客)の整備 営業担当が顧客の既存設備を診断し、高効率ガスシステム(コジェネ・高効率ボイラー等)への切り替えによるCO2削減量をシミュレーション。削減量がJクレジット申請に値する規模かを事前スクリーニングし、申請書類の作成を大阪ガス側がサポートする体制を整えた。
Step 2: クレジット買い取りスキームの設計 顧客にとって「設備投資を資金面で支援してもらえる」という明確なメリットを提示するため、Jクレジット売却益の顧客への還元設計を先行して固めた。ガス会社が確実な買い手として機能することでクレジット創出を促進する構造とした。
Step 3: 活用先の多様化 購入クレジットの使途として地域イベントのカーボンオフセットを設定。兵庫県のホームページで取り組みを紹介してもらう等、公的機関との連携でPR効果を最大化した。
Step 4: 継続的な顧客開拓 Jクレジット創出→買い取り→活用PRのサイクルを実績として次の顧客提案に活用。「高効率設備を入れるとクレジット収入も得られる」という訴求で新規顧客の設備投資意思決定を後押しした。
得られた結果
- クレジット流通量: 2015年度3,079t-CO2
- 顧客メリット: 設備投資コストの一部をJクレジット売却益で回収
- 大阪ガスのメリット: カーボンオフセット活用によるCSRブランド強化、顧客との関係深化
- 社会的効果: ガス会社がアグリゲーターとして機能しクレジット市場の流通を促進
他社が参考にすべき点
エネルギー会社・設備メーカー・商社向け: 顧客の設備更新を自社製品・サービスで支援しながらそのCO2削減量を買い取るアグリゲーターモデルは、「販売→クレジット創出→買い取り→活用」の4段階が揃うことで顧客の設備投資判断を加速させる。特に中小企業の顧客はJクレジット申請手続きの煩雑さが障壁になるため、申請代行・サポートをセットにすることが普及の鍵だ。公的機関との連携PRを実績として積み上げることで行政との関係構築にもつながる。