やったこと

環境省地球環境局が2026年1月29日に実施したセミナー資料(全31ページ)を精読し、日本の温室効果ガス削減目標の現状と中小企業が取り組むべき脱炭素化の実務手順を把握した。

具体的な手順・工夫

1. NDCの最新目標を把握する 日本は2030年度▲46%(2013年度比)から踏み込み、次期NDCとして2035年度▲60%・2040年度▲73%削減を宣言。排出量取引制度(2026年度〜)と化石燃料賦課金(2028年度〜)が始まるため、対応の優先度は急速に高まっている。

2. 「知る・測る・減らす」の3ステップで着手順序を決める 環境省が推奨する基本フローは①自社排出量を「知る」(CO2可視化ツール導入)、②GHGプロトコルに沿って精度よく「測る」、③省エネ・再エネ・Scope3対策で「減らす」の三段階。中小企業は①から始め、SHIFT事業の無料診断サービスを活用すると投資対効果の高い対策が見えてくる。

3. SHIFT事業・Scope3事業の令和8年度版要件を確認する

  • SHIFT事業:CO2削減計画策定支援+設備更新費用の一部補助。申請要件に「排出量の可視化」が必須化された。
  • Scope3事業:サプライチェーン全体の排出量算定支援。中小サプライヤーが大企業のScope3カテゴリ1削減に貢献できる証明書が取得可能。

4. 脱炭素経営の位置づけを経営層と共有する 資料では「コストではなくリスク低減と成長のチャンス」と明示。TCFDやSBTiへの取り組みが取引先選定基準となりつつある点を根拠として、経営会議に脱炭素化投資を議題として上げる材料になる。

得られた結果

2030年・2035年・2040年の段階的目標が数値で示されたことで、自社の排出削減ロードマップを逆算で設計しやすくなった。SHIFT事業の無料診断は1社あたり平均15%以上の省エネ余地を特定した実績があり、中小企業にとって費用対効果の高い入り口となる。

他社が参考にすべき点

  • 排出量の「見える化」は補助金申請の前提条件になっており、後回しにすると支援から漏れるリスクがある。
  • 2026年度から排出量取引が始まるため、Scope1・2の実績データ蓄積を今期中に開始すべき。
  • 中小企業はScope3事業の認定書を取得することで、大企業の調達要件をクリアしやすくなる。