やったこと
booost techが、2026年度から本格稼働(第2フェーズ)に移行するGX-ETSについて、対象企業の確認方法・排出枠の割当・第三者検証・ペナルティ・Jクレジット活用・SSBJ開示との整合まで、企業の実務担当者が取るべき対応を体系的に解説した記事を公開した。
具体的な手順・工夫
GX-ETSの3フェーズ移行スケジュール:
| フェーズ | 期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 第1フェーズ | 2023〜2025年度 | GXリーグ参加企業による自主的試行。罰則なし |
| 第2フェーズ | 2026〜2032年度 | 本格稼働。排出枠遵守が法的義務化 |
| 第3フェーズ | 2033年度〜 | 有償オークション導入(電力会社対象) |
対象企業の確認方法:
- CO2直接排出量(Scope1)が年間10万トン以上の事業者が対象
- SHK制度(温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度)で報告中の自社排出量を確認
- GX推進機構から対象企業リストが公表予定 → 公式発表を注視
第2フェーズで義務化される3事項:
- 排出枠の遵守義務:割り当てられた枠の範囲内に排出量を収める
- 排出枠の返納:年度末に実際の排出量相当の排出枠を国へ返納
- 第三者検証の義務化:国が認定した検証機関によるデータ確認が必須
排出枠の過不足への対応:
- 余剰 → 市場売却(収益化)またはバンキング(翌年度繰越)が可能
- 超過 → 不足分を市場で購入 or Jクレジット・JCMクレジットで相殺(活用上限10%)
- 遵守期限までに償却できない場合 → 未履行分に応じた負担金(ペナルティ)が発生
本格稼働に向けた3ステップ対応:
- 排出量算定体制の整備:拠点・排出源ごとの算定方法を明確化。第三者検証に備えたデータ管理・承認ワークフローの構築
- 削減目標と移行計画の策定:SBTや同業他社ベンチマークを参照し中長期削減目標を設定。再エネ導入・省エネ投資の具体的実行計画を立案
- SSBJ開示との統合管理:GX-ETS(Scope1対象)とSSBJ(Scope1+2開示)を別々に管理せず、データ管理基盤を統合
得られた結果
2025年5月28日に改正GX推進法が成立し、10万トン以上排出企業へのGX-ETS参加義務化が確定。第1フェーズで自主参加していた企業と比べ、第2フェーズ未対応企業は排出枠購入コスト・第三者検証コストを急遽負担するリスクがある。
他社が参考にすべき点
GX-ETS対応の出発点はScope1排出量の正確な算定体制の整備。SHK制度への報告データを流用できるが、第三者検証に耐えるデータ品質・内部統制が必要。年間10万トン未満の企業も将来的な対象拡大を想定してScope1算定精度を上げておくことが推奨。2028年以降のクレジット価格上昇(GX-ETS需要拡大)を見越し、今からJクレジット創出を検討する価値もある。製造業・エネルギー多消費事業者・GX推進担当向け。
