やったこと

環境省が2026年7月31日、自治体向けの「地方公共団体のためのグリーン購入取組ガイドライン」を2015年以来11年ぶりに改訂した。特定調達品目の増加・判断基準強化・段階別の実施課題と対応策を盛り込み、実施率が低迷する市町村・町村への普及拡大を目指す。

具体的な実態と課題

実施率の現状(2025年度)

  • グリーン購入法の特定調達品目22品目のうち1品目以上を実践している市町村:55%(半数弱が実施ゼロ)
  • 都道府県ごとの格差:富山県80% ↔ 奈良県27%

調達方針の策定率

  • 都道府県・政令指定都市:100%
  • 市区:40.4%
  • 町村:7.9%(ほぼ手つかず)

環境配慮契約の方針策定率

  • 都道府県・政令指定都市:53.7%
  • 市区:11.1%
  • 町村:0.9%

改訂ガイドラインのポイント

新ガイドラインは「方針策定・調達実施・実績集計」の3段階に分類し、各段階の「陥りやすい課題と対応方法」を明示している。

方針策定段階の主要ポイント

  • 首長・議会の承認が不要な「部局方針」から始めることで早期着手が可能
  • 既存の環境基本計画や地球温暖化対策計画に紐づけて方針策定のハードルを下げる

調達実施段階の主要ポイント

  • 品目ごとの判断基準を更新(2024〜2025年に改訂された品目への対応が必要)
  • 電力・自動車・OA機器など排出量の大きいカテゴリを優先して対象化する
  • 特定調達品目の対象外でも「環境配慮仕様」を任意追加できる

実績集計段階の主要ポイント

  • 実績データの収集・集計方法の標準化により報告負荷を軽減
  • 都道府県・国との報告ルートの整理

民間企業・事業者への示唆

  1. 公共調達要件への適合が新規受注条件になりうる:自治体がグリーン購入基準に合わせた調達を拡大すると、環境認証(エコマーク・グリーンマーク等)を持つ製品・サービスの優位性が高まる
  2. 地方自治体をターゲットにしたGX製品・サービスの提案機会:実施率の低い中小規模市町村向けに「グリーン購入対応パッケージ」を提供するビジネス機会がある
  3. 自社のグリーン調達基準としても流用可能:改訂された判断基準は民間企業のサプライチェーン調達ルールの参考にもなる