やったこと

資源エネルギー庁が2026年度版「省エネ・非化石転換法の手引き(工場・事業場編)」を更新し、定期報告書・中長期計画書の作成要件と算定方法を公開した。省エネ法改正(2023年度実績分から電気需要最適化評価原単位が適用)への対応を含む実務情報を整備。

具体的な手順・工夫

定期報告書の提出要件

  • 対象:特定事業者・特定連鎖化事業者・認定管理統括事業者
  • 提出先:本社所在地を管轄する経済産業局 + 事業所管省庁
  • 提出期限:毎年度翌年度7月末日

エネルギー消費原単位の算定式

エネルギー消費原単位 = (A - B - B') / C
A = エネルギー使用量(燃料+他人から供給された熱+電気)
B = 外販したエネルギー量
B' = 購入した未利用熱量
C = エネルギーと密接な関係を持つ値(生産数量/売上高/床面積等)

※ A・B・B'は原油換算kℓで計算

電気需要最適化評価原単位(2023年度実績分から新設)

A'' = Aのうち、非化石燃料使用量に0.8を乗じ、電気需要最適化係数を考慮した使用量
  • 系統電気は月別・時間帯別の条件で3.6/9.4/12.2 GJ/千kWhを使い分ける
  • 令和8年熊本地震など大規模災害の場合は提出期限の免責期限設定措置あり

ベンチマーク制度:業種ごとにエネルギー消費原単位の目標値が設定されており、達成状況を報告書に記載。製造業や流通業など業種別にセクター固有の指標が設定されている。

実務上の注意(2024年度実績・2025年度報告で発生したエラー):

  • 月別電気需要最適化係数に誤りが判明(東北・東京・九州電力管内)、修正後に定期報告書の再提出が必要となるケースあり
  • 作成支援ツール((一財)省エネルギーセンター)を利用することで算定ミスを減らせる

得られた結果

2023年度からの省エネ法改正で「電気需要最適化評価原単位」が義務化され、ピーク時間帯の電力消費管理が評価に組み込まれた。非化石燃料の使用量には0.8の係数が適用されるため、燃料転換の取り組みが数値に反映される。

他社が参考にすべき点

定期報告書の「エネルギーと密接な関係を持つ値(C)」の設定は企業裁量があるため、適切な指標(生産数量/売上高等)を選ぶことで原単位の正確な評価につながる。電気需要最適化係数の時間帯区分(12.2 GJ/千kWhの夜間帯等)を活用した夜間シフト操業でスコアを改善できる。特定事業者の工場・製造業向け。