やったこと

三菱電機システムサービス株式会社が、三菱電機グループ自社工場2拠点(三田製作所・三菱電機照明株式会社掛川北工場)に対し、製造業向けエネルギー管理監視・制御システム「SA1-III」を導入した事例。見える化によって省エネ活動の自律的な改善サイクルが回り始め、大幅な電力量削減を達成した。

具体的な手順・工夫

事例1:三菱電機株式会社 三田製作所

導入前の課題:

  • 変電所と一部製造ラインではエネルギー計測を実施していたが、工場全体での統合管理ができていなかった
  • 空調・FANの運転/停止・温湿度管理は現場担当者に一任→部門間の省エネ情報が共有されず、横断的改善ができない状態

SA1-III導入後の施策と効果:

  • 工場全体の電力・温湿度・設備稼働状況を一元的に見える化
  • 省エネ活動が活性化し、工場全体の消費電力量削減につながった
  • 全熱交換器を活用したCO2制御(CO2濃度に応じた必要換気量の自動制御)を追加実施し、必要なときに必要な分だけ換気する最適制御を実現

事例2:三菱電機照明株式会社 掛川北工場

導入前の課題:

  • 消費電力量計測機器は既存していたが、PCで集中管理するシステムがなかった
  • 製造ライン移設のタイミングで面積が2倍以上に拡大する一方、「消費電力を半分以下にする」という厳しい目標が設定されていた

SA1-III導入後の施策と効果:

  • 作業が行われる場所・時間に適切な明るさを確保する自動制御を実装
  • 安全・快適を確保しながら省エネを実現
設備電力量削減率
照明設備約67%削減
空調設備約42%削減

EMSのシステム概要(SA1-III)

  • 施設内の稼動実績・エネルギー消費量データをリアルタイムで見える化
  • 複数工場を運営する場合でも自動データ蓄積が可能
  • 省エネ法の報告業務も効率化(データが自動蓄積されるため手動集計不要)
  • 監視カメラ情報も統合し、工場全体の監視・制御・異常検知記録が可能

得られた結果

  • 照明設備:約67%の電力量削減(掛川北工場)
  • 空調設備:約42%の電力量削減(掛川北工場)
  • 三田製作所:工場全体の消費電力量を削減
  • 面積2倍拡大にもかかわらず消費電力半減以下という目標を達成

他社が参考にすべき点

工場にEMSを導入して成果を出す手順:①まず「工場全体の電力・設備状況を誰もが見られる状態」を作る(部分計測→全体統合)→②見える化によって現場担当者が自律的に省エネ提案を出し始める環境を作る→③CO2制御・照明制御など「自動最適化」に段階的に移行→④データを省エネ法報告業務に流用して間接コストも削減。「電力を見える化するだけで現場の省エネ意識が変わる」という効果は三田製作所の事例が証明しており、高コストな設備更新より先に見える化ツール導入が費用対効果で優先される。