実装のポイント

東京ガスと東京都が連携して実施するeメタン製造実証では、都市ガス脱炭素化において既存インフラ(パイプライン・燃焼設備)を改修なしに活用できる点が最大の強みだ。大田区・京浜島グリーン水素製造所で製造したH₂を週2回カードル輸送し、下水処理場の消化ガス(CO₂成分)と組み合わせるメタネーションでカーボンニュートラルなメタンを生産する実装モデルを構築している。

具体的な手順

  1. グリーン水素の製造: 大田区・京浜島グリーン水素製造所で再エネ由来電力を使い水電解によりH₂を製造
  2. 週2回のカードル輸送: 製造したH₂を高圧容器(カードル)に充填し、約1.5km離れたメタネーション装置まで週2回のトラック輸送で届ける(パイプライン整備前の現実的な輸送方式)
  3. 消化ガスのパイプ供給: 森ケ崎水再生センターから消化ガス(CO₂含有バイオガス)をパイプラインで連続供給
  4. メタネーション反応: 装置内でH₂+CO₂→CH₄(ザバティア反応)を実施しeメタンを生成
  5. 既存パイプラインへの注入: 生成eメタンを都市ガス網に注入。燃焼設備・末端機器の改修は不要

得られた結果

製造能力は1時間あたり260軒分の都市ガスに相当。東京ガスは2030年に都市ガス供給量の1%をeメタン化する目標を掲げており、本実証データが量産化フェーズでの輸送最適化・製造コスト試算の基盤となる。横浜テクノステーションでの別実証と並行実施することでデータの蓄積を加速させている。