やったこと
GHGプロトコルの改訂作業が進み、従来のScope2削減の常識が根本から変わろうとしている。非化石証書(グリーン電力証書・J-クレジット等)を年間ベースで購入し、消費電力量相当を相殺する手法が、新基準では十分に評価されない可能性が高まっている。オルタナの取材に対し、複数の実務家が「これまでの調達戦略を見直す必要がある」と証言した。
具体的な手順・工夫
改訂案の2大ポイントは「アワリーマッチング」と「デリバラビリティ」だ。
アワリーマッチング: 電力消費と再エネ発電を「同一時間帯」に一致させることを求める。24時間365日のすべての時間帯で使用電力量に見合った再エネ証書が必要になる。年間ベースで購入済みの証書を残高管理するだけでは不十分となる見通しだ。
デリバラビリティ: 再エネ発電所と需要地が電力系統上で「物理的につながっている」ことを証明する必要が生じる。「同じ国内の発電所の証書を購入すれば良い」という考えが通じなくなる可能性がある。記事では「単に同じ国だから・同じ市場だから、という理由だけではなく、電力系統上のつながりを重視する」と説明している。
業界内では約1,100件のパブコメが提出され、企業・電力会社・NGO間で意見が割れている。
得られた結果
GHG算定と「削減貢献量」が分けて評価される方向性が明確化されつつある。企業は調達中の非化石証書のポートフォリオを見直し、PPA(電力購入契約)や自家発電への切り替えを検討する必要が生じている。
他社が参考にすべき点
Scope2削減の調達担当者は今すぐ3点を確認すべきだ:①現在の証書は「いつ・どこで発電された電力か」を追跡できるか、②需要地と発電所の系統上の接続を証明できる契約か、③アワリーマッチングに対応した計測・管理体制が整っているか。製造業・流通業を問わず大手から中堅企業まで、再エネ調達戦略の早急な再設計が求められる。
