やったこと
日本ロレアルは2025年に、2030年目標として掲げていた「全世界事業所・直営店舗での再生可能エネルギー100%利用」を5年前倒しで達成した。コーポレート・レスポンシビリティ本部長・楠田倫子氏へのインタビューで、その実装の核心が明らかになった。最大の特徴は「サステナビリティをビジネス目標と完全に同等に扱う」仕組みの徹底だ。
具体的な手順・工夫
全社員ボーナスのKPI連動 役員だけでなく、全社員のボーナスをサステナビリティKPIの達成度に連動させた。気候変動対応・自然保護・循環性・コミュニティ支援の4つの柱で約60のKPIを設定し、各年度・各国・各部署レベルまで細分化して管理する。「目標を全員が自分事として捉える最も効果的な仕組み」として機能している。
LCAベースの製品評価の義務化 新製品の開発条件として「前世代製品より必ず環境指数スコアが良いこと」を義務化した。全製品処方データをLCA(ライフサイクルアセスメント)で一元管理し、研究員にとって「環境負荷を下げることが業務そのもの」になっている。
グリーンサイエンスアプローチ 自然由来成分の機能を科学的に最大化しながら環境負荷を削減する製品開発を推進。「単なる自然成分採用」でなく、イノベーションとして事業戦略に組み込んでいる点が特徴的だ。
得られた結果
- 再エネ100%利用: 2030年目標を2025年に5年前倒しで達成
- CDP「AAA」10年連続受賞
- 4本柱・約60KPIでの継続的な目標管理体制を確立
他社が参考にすべき点
化粧品・消費財メーカーはもちろん、製造業全般に応用できる手法だ。特に効果的なのは「管理職だけでなく全社員のボーナスをKPIに連動させること」。部門・地域単位の分解目標と連動させることで、現場の自発的な取り組みが生まれる。従業員数100名以上の企業から導入可能。CDP評価向上を目標に置く企業に特に有効な体制設計。
