やったこと
旭化成は業務用冷凍空調機器(フロン使用機器)1万3000台をクラウド管理システム「RaMS(冷媒管理システム)」で一元管理し、グループ全体での点検漏れを根絶した。フロン排出抑制法の遵守強化とGHG削減(2030年に2013年度比30%以上削減)を両立する取り組みとして実施。
具体的な手順・工夫
段階的な展開戦略:
- 2015年:フロン排出抑制法施行に合わせて岡山県倉敷市の水島製造所でパイロット導入
- その後:鈴鹿・川崎・守山の各製造所に横展開
- 2024年度:本社主導で全工場に一斉導入へ切り替え(現場任せから本社主導へ転換)
- 2025年度:グループ企業にも展開
システムの主要機能:
- 機器情報・点検記録の電子化と自動アラート
- 本社が各事業所の状況をリアルタイムで把握できる階層管理
- 「RaMS-ex」の解析機能で故障・冷媒漏えいの傾向分析と予防保全
- 複数ユーザーによる分散管理体制(紙書類の廃止)
現場の不安への対応: 当初は「現場の負担増」を懸念する声があったが、実際の展開では「積極的で前向きな声が多くスムーズに受け入れられた」。電子化によるむしろ業務軽減効果が大きかった。
得られた結果
- グループ全体の点検漏れリスクが大幅低減
- 書類管理コストの削減
- 漏えい傾向の予防的把握が可能になり、フロン使用量そのものの削減へつながる基盤整備
今後はノンフロン冷媒機器への更新および低GWP冷媒への切り替えも検討中。
他社が参考にすべき点
フロン排出抑制法の対象となる事業者(業務用冷凍空調機器保有企業)が法令遵守とGHG削減を同時に実現するモデル。「現場導入→エリア拡大→本社主導の全社展開」という段階的アプローチは、複数拠点・グループ企業を持つ製造業に直接応用できる。
