実装ステップ

Carbon Standardsが「EU Biochar Carbon Removal Standard(EU BCR)」を公開し、2026年9月24日までの30日間コンサルテーションを開始した。これはEU炭素除去・炭素農業規制(CRCF)に準拠した「EUで最初の自発的炭素除去認証フレームワーク」である。

ステップ1:自社プロジェクトが対象かを確認

  • EU域内のバイオ炭炭素除去活動のみが対象
  • バイオマスの調達から最終利用(土壌施用またはコンクリート混入)まで全ライフサイクルが対象

ステップ2:認証トラックの選択

Track A(土壌施用) 農地への直接施用・堆肥混合・成長用土との混合・腐食・動物飼料回収など。農業・造園・コンポスト事業者が対象。

Track B(建材混入) セメント・コンクリート・アスファルトへの混入。建設資材メーカー・コンクリートプラントが対象。

ステップ3:EBC認証の取得(必須前提条件) 使用するバイオ炭にEuropean Biochar Certificate(EBC)認証が必要。EBC未取得の場合はまずEBC認証プロセスを開始する。

ステップ4:dMRV(デジタル監視・報告・検証)の準備 方法論はバイオマスの調達・原料分類・デジタルMRVを要件としている。炭素除去量の定量化・恒久的炭素除去ユニットの発行と登録まで一連のフローをデジタルで管理できる体制を整える。

ステップ5:コンサルテーションへの参加(締切:2026年9月24日) Carbon Standards の公開コンサルテーションポータルからフィードバックを提出。バイオ炭生産者・農業者・建設業者・カーボン市場参加者すべてが対象。

使うツール・標準

  • EU CRCF(炭素除去・炭素農業規制)
  • European Biochar Certificate(EBC)認証
  • dMRV(デジタルMRV)プラットフォーム
  • Verra VCS など既存の炭素クレジット登録との整合確認

成功のポイント

CRCF準拠の認証は、EU ETS域内でのカーボンクレジットの法的有効性を将来的に高める可能性がある。現時点でのコンサルテーション参加は、自社の実務実態を基準策定に反映させる最大の機会。Track A(土壌施用)はすでに技術的に成熟しており、早期認証取得が市場で有利に働く。

日本企業への適用

バイオマス発電・製炭企業がEU市場向けにバイオ炭クレジットを販売したい場合、EU BCR認証が事実上の入場券になる可能性が高い。国内では農林省・環境省のバイオ炭J-クレジット方法論と併用できる部分もあり、EU・日本のデュアル認証戦略を検討できる。