やったこと

2026年4月施行のGX推進法・GX-ETSへの対応を機に、日本企業がScope1〜3を網羅したCO2削減体制を整備する実務フローをアスエネが体系化した。直接排出量100,000tCO2/年超の企業はGX-ETSの強制対象だが、取引市場本格稼働(2027年秋ごろ)を前に自主的に取り組む企業が急増している。

具体的な手順・工夫

Step 1: 現状把握(排出量算定) 活動量データ×排出係数でScope1・2を算定。Scope3は15カテゴリを優先度順に整備し、まずサプライヤーへの一次データ依頼が難しいカテゴリはIPCC係数で概算スタートする。

Step 2: 目標設定 2030年度46%削減(2013年度比)が国の基準。SBT認定を目指す場合はWell-below-2℃パスウェイに準拠する。業種ごとのベンチマークと照合して野心的かつ現実的な数値を設定。

Step 3: 削減戦略立案 エネルギー効率改善(設備更新・断熱強化)、再エネ調達(自家発電・PPA・グリーン電力証書)、燃料転換(電化・水素)、物流最適化(トラック→鉄道・船)の4領域でコスト削減余地の大きい施策から優先する。

Step 4: 実行・モニタリング クラウド型排出量管理ツールで電力・燃料請求書を自動処理し、リアルタイムで削減進捗を可視化。部門・拠点別にKPIを割り振りPDCAを回す。

Step 5: 開示・報告 CDP・有価証券報告書(SSBJ対応)・CSRD(EU進出企業)への開示に第三者検証を付与。GX-ETS排出枠の過不足を取引市場で調整。

得られた結果

Scope3まで視野に入れることが削減の実効性を高める鍵とされ、早期にサプライヤー一次データ収集を始めた企業ほど削減コストが低くなる傾向にある。省エネによるエネルギーコスト削減と将来の炭素価格負担回避が投資回収の主な経路。

他社が参考にすべき点

  • GX-ETS義務対象外でも2027年以降の炭素価格上昇を見越して今から体制整備するほど有利
  • Scope3のScope全体比率は多くの製造業で70%超のため、サプライヤー巻き込みが削減効果の最大化に直結
  • 自社でのデータ整備が難しい段階ではクラウドツールで自動化し人的コストを抑える
  • 再エネ調達はPPA・オフサイト自家発・グリーン証書の組み合わせで費用対効果を最適化できる