実装のポイント
熊谷組と住友林業が設計・施工した9階建てオフィスビル「KiGi AKIHABARA」(7月2026年開業)は、新技術である「KS木質座屈拘束ブレース」とCLT床の組み合わせで木造・鉄骨ハイブリッド構造を実現し、ZEB Ready(運用エネルギー50%削減)認証を取得した事例だ。
従来の高層木造ビルの課題だった耐震性と耐火性の両立を、新技術によって解決した点がポイントである。
具体的な手順
構造材の選定
- KS木質座屈拘束ブレース: LVL(単板積層材)と合板を組み合わせた木質の座屈拘束材で鋼製芯材を補強する部材。圧縮時も引張時も耐力を発揮し、従来の金属製座屈拘束ブレースと同等以上の耐震性能を実現しながら炭素貯蔵量を確保する。
- CLT床(厚さ210mm): 最上階を除く全階に採用。耐火技術として「環境配慮型λ-WOODⅡ®」1時間・2時間仕様を初採用し、法定耐火基準をクリア。
- 電炉鋼材の採用: 高炉材より製造時CO2排出量が少ない電炉鋼材を鉄骨部材に使用し、躯体製造段階のGHG削減に貢献。
省エネ設計
- 断熱・設備の最適化によりZEB Ready基準(設計一次エネルギー消費量50%以上削減)を達成
- 設計段階での認証取得により竣工前からGHG削減効果の定量化が可能
得られた結果
- 躯体段階: 木材使用量61.7m³+電炉鋼材により約380tのCO2削減
- 60年運用想定: 計4,371tのCO2削減見込み
- ZEB Ready認証(運用エネルギー50%削減)を達成
- 木質座屈拘束ブレースの実建物への初適用成功
