概要

本稿は、海外動向を踏まえながら、日本の再生材市場が今後どのように発展し、何が課題になるのかを考察する連載の第3回である。特に中国について、これまでの「圧倒的な量」に加え、再生材の品質や取引の信頼性を支える「規格と証拠」を整え始めている動きに焦点を当てている。再生材を安定的に確保し、製品に組み込むためには、単なる供給量だけでなく、品質、由来、環境価値を説明できる仕組みが重要になる。こうした動向は、日本企業が再生材を調達・利用する際の競争条件や、製品市場における優位性にも影響を及ぼす。

ポイント

  • 中国は再生材の供給力という「量」に加え、品質を示す規格や、再生材の由来・性能を裏付ける証拠の整備に取り組み始めている。
  • 再生材市場では、価格や調達量だけでなく、品質の再現性、トレーサビリティ、環境面の主張を客観的に示せることが競争力になる。
  • 再生材を使った製品を市場に展開するには、素材メーカー、部品メーカー、製品メーカー、評価機関などの間で共通の基準が必要となる。
  • 日本にとっては、海外の制度・規格・証拠の整備を把握し、国内企業が調達と製品設計に活用できるデータ基盤を整えることが課題である。

実務への示唆

日本企業は、再生材の採用検討時に、価格と供給量だけでなく、品質規格、ロット間のばらつき、由来証明、環境負荷データの有無を調達要件として整理するとよい。将来の市場競争に備え、再生材の使用実績や評価データを蓄積し、製品の環境価値を説明できる体制を早期に整えることが重要である。

出典

【第3回】近未来、再生材を制するものが製品市場を制する ― 海外動向も踏まえた我が国再生材市場の展望と課題(SuMPO自主調査)より