概要

本稿は、SuMPO(サステナブル経営推進機構)の自主調査をもとに、海外動向を踏まえながら日本の再生材市場の展望と課題を整理した連載第5回である。製品の脱炭素化や資源循環が進むなか、再生材を安定的に確保し、製品へ組み込む能力が、今後の市場競争力を左右すると指摘する。日本では再生材の需要拡大が期待される一方、供給、品質、価格、情報開示など、普及を阻む複数の課題が存在する。記事では、こうした日本の再生材市場を阻む「八つの壁」を切り口に、企業・市場・政策が取り組むべき方向性を考察している。

ポイント

  • 再生材は廃棄物処理の副産物ではなく、製品価値や企業競争力を左右する重要な事業資源になりつつある。
  • 海外では、環境規制、製品情報の開示、再生材利用の促進などを通じて、再生材の需要と市場形成を後押しする動きが進んでいる。
  • 日本市場の拡大には、回収・選別・加工から製品利用までのサプライチェーン全体をつなぎ、安定供給を実現する仕組みが必要である。
  • 再生材の品質や含有量、由来を適切に把握・伝達できるデータ基盤と、関係者間で共有できる評価ルールが重要となる。
  • 企業には、調達コストだけでなく、資源循環、脱炭素、将来規制への対応を含めた中長期的な視点が求められる。

実務への示唆

自社製品で使用可能な再生材の種類・品質・必要量を洗い出し、調達先だけでなく回収・加工事業者まで含めたサプライチェーンを早期に把握することが重要である。併せて、再生材含有率や環境効果の算定方法、証憑、情報開示の要件を整理し、設計・購買・品質保証・営業が共通して使える社内ルールを整備したい。

出典

【第5回】近未来、再生材を制するものが製品市場を制する ― 海外動向も踏まえた我が国再生材市場の展望と課題(SuMPO自主調査)より