やったこと

長野県塩尻市(人口約6.5万人)は、市有林の森林整備(間伐等)によって生じたCO₂吸収量を「J-クレジット制度」に基づいてクレジット化し、2026年秋~冬に販売する取り組みを推進している。クレジット売却益は次の森林整備の財源に充てる循環型モデルを採用している。

具体的な手順・工夫

  1. プロジェクト登録: 国のJ-クレジット制度事務局にプロジェクト登録証を取得。市の「ゼロカーボン・GX推進プロジェクト」が主担当。
  2. 算定と認証: 間伐等による二酸化炭素吸収量を測定・算定し、国が温室効果ガス削減量として認証するプロセスを完了。
  3. 販売スキーム: 企業がカーボン・オフセット目的で購入可能。購入金額に応じた楯の贈呈や市HPへの掲載でブランド価値も提供。
  4. 活用先の整理: 購入企業のメリットを3点に整理——①自社排出(電力・燃料・物流・出張等)のカーボンオフセット、②地域共生ブランドによる顧客・株主へのPR、③サプライチェーン脱炭素要請や公共入札加点への対応。
  5. 価格・数量の未定: 2026年10月時点ではまだ価格・販売量は未定。興味ある企業への事前相談を受付中。

得られた結果

  • 市有林プロジェクトの登録証取得完了(2026年4月時点)
  • 2026年秋~冬に初回クレジット販売を予定
  • 売却益を継続的な森林整備費に充てる財源サイクルを構築

他社が参考にすべき点

自治体発行の森林J-クレジットは、地元密着のカーボンオフセット手段として中小・中堅企業でも検討しやすい。特にサプライチェーン排出の開示義務化が進む中、低コストかつ「地域貢献」を訴求できる点が採用しやすい。まず市区町村のゼロカーボン窓口に問い合わせることが実務上の第一歩となる。