やったこと
東急不動産の子会社Green Factory TFKが、千葉県野田市の植物工場「Green Factory TFK」において、建物1〜3階の壁面にカルコパイライト型(CIS/CIGS系)フィルム型太陽電池(200W)を設置する実証実験を2026年6月に開始する。既設のカーポート型太陽光発電(約36kW)と組み合わせた複合運用を検討し、カーボンニュートラル達成とBCP(事業継続計画)強化を目指す。
具体的な手順・工夫
カルコパイライト型(CIS/CIGS)フィルム太陽電池の特性:
- 軽量・薄膜フレキシブル構造:曲面や垂直面(壁面)への設置が可能
- 通常のシリコン系太陽光パネルでは設置が困難な「壁面」「ひさし」「構造物の曲面」に展開できる
- 発電効率はシリコン系より低いが、従来使われていなかった面を活用することでトータル発電量を増やせる
- 弱光条件(曇り・間接光)でもシリコン系より相対的に高い発電性能を維持
植物工場への導入を選んだ理由:
- 大型倉庫・工場型建物は屋根面積に対して壁面積が広い
- LED照明・空調・冷暖房設備が多く電力消費が大きい施設であるため自家発電率向上効果が高い
- 既設カーポート型(約36kW)で屋根・駐車場空間は活用済み → 次の拡張先として壁面を選択
実証で検証する4項目:
- 出力性能:壁面設置での実測発電量(垂直面の太陽入射角による影響)
- 発熱特性:薄膜電池の熱が室内温度に与える影響
- 耐久性:雨・紫外線・温度サイクル変化への耐性
- メンテナンス性:壁面設置ゆえのアクセス難度と清掃コスト
複合発電システムの構成:
- カーポート型太陽光(屋根・駐車場空間):約36kW(既設)
- 壁面フィルム型太陽電池(1〜3階ロータス部分):200W(実証)
- 2系統の統合運用による自家発電比率の最大化を目指す
得られた結果
2026年6月実証開始予定のため、現時点では発電量・費用対効果のデータは未公表。実証期間中に出力性能・発熱・耐久性・メンテナンス性の4点を評価し、2026年度中に結果公開見込み。既設36kWとの比較により、壁面追加による自家発電比率向上効果が定量化される予定。
他社が参考にすべき点
食品工場・物流倉庫・冷凍倉庫・大型スーパーなど「屋根に既に太陽光パネルがあるが発電量を増やしたい」施設は、フィルム型太陽電池の壁面設置を次の選択肢として検討できる。特に植物工場・食品工場は電力消費が多く、自家発電比率の向上が電力調達コスト削減と脱炭素化の両立に直結する。フィルム型は屋根積載耐荷重の制約がある建物にも対応可能。2026年度の実証データが導入判断の参考になる見込み(企業規模問わず中小食品工場にも応用可能な手法)。