研究の概要
長距離輸送の電動化において最大の障壁の一つが、途中充電の非効率性と電池劣化コストである。スウェーデン王立工科大学(KTH)の研究チームは、電気トラックの経路充電を協調的にスケジューリングする混合整数最適化フレームワークを開発した。本研究では、充電コスト・運行コスト・電池劣化コスト・充電渋滞による遅延コストを統合的に最適化する手法を提案し、非協調スケジューリングとの比較検証を行った。
主な発見・成果
協調スケジューリングを導入することで、非協調方式と比較して最大36%のコスト削減が達成された。特に電池劣化コストと充電渋滞による遅延コストの削減効果が大きく、長距離輸送フリートの電動化に伴うTCO(総保有コスト)を大幅に改善できることが示された。混合整数計画法を用いることで、複数車両の充電タイミングを同時最適化し、特定の充電ステーションへの集中を分散させる効果が確認された。
実務への応用
物流事業者が電気トラックフリートを導入する際、各ドライバーに個別判断を委ねる「非協調方式」から、フリート全体の充電計画を一元管理する「協調スケジューリング」への移行が不可欠である。本研究の知見は、フリート管理システム(FMS)への充電最適化アルゴリズム組み込みの設計指針として直接活用できる。特に急速充電インフラが限られる中間地点での渋滞回避と電池寿命延長の両立は、物流GX投資回収期間の短縮に直結する。