実装のポイント

スズキが2026年横浜テクノロジーEXPOで公開した「カーボンキャプチャーキャリイ」は、軽トラックの排気管にCO₂回収装置を後付けし、走行中にCO₂を吸着材(MOF・ゼオライト)で捕捉する技術実証機。カーボンニュートラル燃料と組み合わせることでカーボンネガティブな車両運用を目指す。

具体的な手順

排気のバイパス分岐 電磁バルブで排気の一部をマフラーではなく回収装置に導く。強制的に引き込むのではなく排気圧を利用して流すため、エンジン負荷を最小化。

冷却と除湿 回収装置内で排気を約50℃まで冷却(低温ほどCO₂吸着効率が向上)し、気液分離器で結露水を除去。さらに乾燥剤で残留水分を取り除き吸着材の性能を維持する。

CO₂吸着と窒素放出 乾燥後のガスをMOF(金属有機構造体)またはゼオライト系固体吸着材に接触させ、CO₂を選択的に捕捉。窒素はそのまま大気放出。

回収CO₂の農業利用 捕捉したCO₂を農業用温室に供給。温室農家は通常1日1.6Lの灯油を燃焼してCO₂を発生(約4kgのCO₂)させているが、車載回収CO₂で代替することで灯油使用量を約1/4削減できる。

得られた結果

走行距離20kmで約1kgのCO₂を回収できることを確認(プロトタイプ段階)。回収CO₂を農業温室へ供給することで灯油消費量・コストを削減し、農家のオペレーションコスト低減に貢献。現在はバルブ構成を複数パターンで検証中であり、最終的な最適化には至っていないが、実用化に向けた技術的実現可能性を示した。